アルギニンバソプレシン, AVP(Vasopressin), ADH ( anti-diuretic hormone)

検査試薬製造中止(平成24年3月30日まで)
SRL
平成26年8月1日受託開始(LSI)



測定法:RIA2抗体法

外注会社:LSI

臨床的意義
 ADHは視床下部―下垂体後葉系において合成分泌されるホルモンで,腎集合管における水透過性を高め,自由水再吸収を促進し,体液量と血漿浸透圧の調節を行っている。よって,ADHの評価は,その分泌調節機序をふまえて考えなければならない。ADHの測定はその分泌の減少(欠乏)した病態としての尿崩症,および不適切に分泌の亢進しているSIADH(ADH分泌異常症候群)の診断に重要である。

異常値を示す疾患
高値疾患: ADH分泌異常症候群

低値疾患: 尿崩症

基準値: 2.8 pg/mL以下(平成28年7月20日より
        4.2 pg/mL以下(平成26年8月1日より平成28年7月19日まで)
       
0.3〜3.5 pg/mL(平成24年3月30日まで)
       
0.8〜6.3 pg/ml(平成17年4月6日まで)

相関:y=1.061x+0.156 r=0.965 y:新、x:従来 (平成17年4月7日より機種変更)

検体採取・測定条件
・ADHは血小板中に多量に存在し,血小板破壊によって放出されるため専用容器(EDTA-2Na)を使用する。
・採血後速やかに冷却遠心分離を行い,必ず凍結保存をする。

生理的変動
・尿崩症と多飲症との鑑別には水制限試験あるいは高張食塩水負荷試験を行いADHが反応して上昇するか否かをみる。血漿浸透圧が上昇するとADH分泌は促進する(低下は分泌を抑制する)。
・血圧低下,頻脈,精神的身体的ストレス,嘔気は分泌を促進する。
・喫煙は分泌を促進し,飲酒は分泌を抑制する。
・日内変動は夜間に高く,昼間に低い傾向がある。
・加齢とともに血漿浸透圧の上昇に伴い,増加傾向を示す。
・立位はADH分泌を高め,横臥位は減少する。

採取容器:EDTA(EDTA入り試験管)

関連項目

Na
レニン活性
ANG I・II
アルドステロン

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