骨髄像, bone marrow differential
臨床的意義
造血の場である骨髄より得られた骨髄液から,有核細胞数と骨髄巨核球数を算定すると同時にガラス板に塗抹し染色することにより細胞の性状・種類,各細胞の比率を知ることを目的とする。白血病や各種貧血をはじめとする血液疾患や癌の骨髄転移などの診断,病期の決定,治療の効果判定をする上できわめて重要な検査である。
異常値を示す疾患: 急性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症、悪性腫瘍の骨髄転移(消化管由来ほか)、巨赤芽球性貧血、悪性貧血、鉄芽球性貧血、再生不良性貧血、赤芽球癆、無顆粒球症、特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、鉄欠乏性貧血
測定法: 用手法
基準範囲
項目 | 参考中央値 |
NCC | 129x10^3 |
PR-EBL | 0.3% |
M-B | 1.2% |
M-P | 3.2% |
M-O | 0.1% |
N-B | 0.2% |
N-P | 12.2% |
N-O | 2.1% |
MIT | 0.4% |
MYBL | 1.2% |
PR | 5.8% |
MY | 7.5% |
MT | 10.4% |
ST | 14.1% |
SG | 14.0% |
Eo-T | 3.7% |
Ba-T | 0.3% |
Mo | 3.1% |
LY | 18.4% |
PL | 1.1% |
RETI | 0.3% |
検体提出方法
分類用:塗抹標本2枚(特殊染色実施の場合は1染色につき2枚程度追加提出して下さい。)
有核細胞数:メランジュール
検体採取・測定条件
・骨髄穿刺針を胸骨体部の第2〜3肋骨間中央部,または後腸骨棘に穿刺し,骨髄液を吸引採取する。
第12胸椎骨〜第3腰椎骨の棘突起で行うこともある。幼小児では腸骨や脛骨を選択する。
・骨髄像用のサンプルは,末梢血が混入するのを防ぐため,必ず第1回目の吸引で採取するようにする。
・こわれやすい細胞や細胞数が多い検体では凝固が早いため,素早く塗抹する。
・塗抹標本用のサンプルを採取する際には,染色後,細胞の色調や形態が変わってしまうため,抗凝固剤(ヘパリンなど)は使用不可。