網状赤血球数, reticlocyte count


臨床的意義
 
末梢血での網赤血球数算定の意義は、骨髄での赤血球造血能を末梢血で間接的に把握できることにある。例えば、貧血の治療の効果判定は治療薬投与後、骨髄穿刺検査を行い、骨髄での赤芽球過形成を確認することがいちばん確実である。しかし、骨髄検査は患者への負担が大きく、これが末梢血の網赤血球数算定で間接的にしろ代用できれば、その意義は高い。網赤血球の名称は、種々の塩基性色素で生体染色を施すと_赤血球内に線維状のreticulumが観察されることよりつけられた。この線維状reticulumはリボソームが、超生体染色を施した時に凝集し、またその際、わずかに残存するミトコンドリアやゴルジ装置あるいはフェリチンなどを巻き込んだ青染物質である。網赤血球は成熟赤血球になる1段階前の幼若な赤血球である。網赤血球が成熟赤血球になるには、末梢血で24〜48時間有するとされている。このことは、末梢血での赤血球の需要と供給のバランスを網赤血球のさらに2段階前の多染性赤芽球とともに調節していることで重要である。

異常値を示す疾患
高値: 
各種貧血の治療後(網赤血球分利)、続発性貧血、溶血性貧血

低値: 
再生不良性貧血、赤芽球癆、骨髄異形成症候群、白血病、鉄芽球性貧血、ビタミンB12・葉酸欠乏

測定原理: フローサイトメトリー

測定機器:  ADVIA2120(バイエル社)(平成18年7月18日より) 
          R3000 (シスメックス)(平成18年7月14日まで)

基準範囲: 0.7〜2.0 %     30〜100 ×103/μl

相関
平成18年7月18日
網赤血球数検査(R300とADVIA)
網赤血球数検査:Y=1.32X-0.41 r=0.964

網赤血球数検査(目視カウントとADVIA)
網赤血球数検査:Y=0.86X-0.48 r=0.958

容器:(赤)EDTA-2K入り試験管

関連項目
高値

間接ビリルビン
ハプトグロビン
LDH
血漿ヘモグロビン
尿ウロビリノゲン
直接・間接クームス試験
砂糖水試験
ハム試験
赤血球抵抗試験

低値

血清鉄
血清フェリチン
ビタミンB12
葉酸

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