カルシトニン, CT(calcitonin)
測定法:ECLIA法(平成27年4月1日より)
RIA 2抗体法(平成27年3月31日まで)
外注会社:SRL
臨床的意義
カルシトニン(CT)は,32個のアミノ酸からなるペプチドホルモン で,血中Ca低下作用を有し,1-25ビタミンD,副甲状腺ホルモンとともにカルシウム代謝 調節ホルモンの一つである。主として甲状腺の傍濾胞細胞から分泌され,骨,腎に作用し,破 骨細胞の骨吸収を抑制し,骨Caの含有量を保持し,副甲状腺ホルモンとともに血中カル シウム濃度の維持,調節に重要である。意義として甲状腺髄様癌や,異所性カルシト ニン産生腫瘍(カルチノイド症候群,肺小細胞癌,神経芽細胞腫など)のカルシトニン分 泌亢進が疑われる疾患や低カルシウム血症,高カルシウム代謝異常状態の診断,病態解 明,治療効果の観察に有用である。
異常値を示す疾患
高値疾患: 甲状腺髄様癌 ・ 異所性CT産生腫瘍 ・ 肺小細胞癌 ・ 肝癌 ・ 慢性腎不全 ・ 原発性副甲状腺機能亢進症
低値疾患: 低Ca血症 ・ 甲状腺全摘 ・ 老年性骨粗しょう症
基準範囲(単位:pg/mL) 男性:9.52以下 女性:6.40以下(平成27年4月1日より)
平成27年3月31日まで
年齢(才) | 男 | 女 | ||||
mean | SD | n | mean | SD | n | |
20〜30 | 61.8 | 13.7 | 44 | 49.0 | 9.8 | 26 |
30〜50 | 75.5 | 22.3 | 12 | 37.9 | 10.4 | 35 |
50〜70 | 56.0 | 19.7 | 11 | 37.8 | 8.1 | 47 |
70〜90 | 37.6 | 5.7 | 19 | 36.4 | 9.7 | 56 |
小児の基準値
生後から1ヵ月ごろまではやや高値をとるが、1歳以降6歳までは、ほぼ一定の値を示す。
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
生理的変動
・加齢とともに低値となるが女性の減少が著しいのは,女性ホルモンの低下が考えられる。
関連項目
PTH
Ca
IP
ガストリン