TSHレセプター抗体, TRAb (TSH receptor antibodies)

平成22年12月21日より院内実施

平成17年3月28日より外注BML平成22年12月20日まで


臨床的意義
 
TSHレセプターは、甲状腺の機能を規定するkey proteinであるとともに、甲状腺自己抗原としても重要である。G蛋白とカップルした7回膜貫通型レセプターの一つであり、N端側に大きな細胞外ドメインをもつ。TSHは細胞膜上のTSHレセプター細胞外ドメインに結合し、G蛋白を介してadenylate cyclaseを活性化し、TSHの細胞内伝達物質として働くcyclic AMP(cAMP)の産生を増加させる。Basedow病での甲状腺機能亢進症や甲状腺腫大をきたす活性物質がTSHレセプター自己抗体であることがわかり、さまざまなTSHレセプター抗体測定がBasedow病の診断、病勢把握、病因解析などのために開発されてきた。その測定原理により大きく、@標識TSHとTSHレセプターの結合への影響で調べるもの、AcAMP産生を指標とするもの、の2通りに分けられる。ことに、後者は今もさまざまな改良が試みられており、近い将来、より簡便で安定した測定法が広まるものと予想される。

測定原理: 電気化学発光法(ECLIA法)

測定機器 : コバス8000(平成29年5月8日より)
         Eモジュール(平成22年12月21日より平成29年5月2日まで)
         
測定試薬 : ロシュ

異常値を示す疾患
高値: 甲状腺中毒症、Basedow病治療中、原発性甲状腺機能低下症、粘液水腫症など

基準範囲: 2.0 IU/L未満
       
0〜1.5 IU/l (平成15年4月1日より測定法:RIA 法)
              
0〜15 mIU/ml (平成15年3月31日まで)

相関:
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.047X-0.198 r=0.999  n=101

平成22年12月21日

採取容器: 茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

TSAb
TSBAb

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