アンギオテンシン転換酵素, ACE(angiotensin converting enzyme)
測定法:笠原法
外注会社:SRL
臨床的意義
ACEは生理的には,肺の血管内皮細胞によって産生・放出される血圧調節に関与している酵素である。アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変換するとともに,ブラジキニンを不活性化する。しかし,ACE値と血圧との間に関連性はない。血中ACE活性の病態生理学的意義については不明な点が多いが,種々の呼吸器疾患,肝,腎,甲状腺疾患,糖尿病などで変動することが知られる。ACE活性の測定は,主にサルコイドーシスの補助診断や治療効果の判定に用いられている。
異常値を示す疾患
高値疾患: サルコイドーシス ・ 甲状腺機能亢進症 ・ 肝硬変 ・ 腎不全 ・ 慢性肝炎 ・ 糖尿病
低値疾患: 甲状腺機能低下症 ・ Crohn病(活性型) ・ 慢性白血病 ・ 多発性骨髄腫 ・ 肺癌
基準範囲
血清: 8.3〜21.4 IU/L/37℃
小児の基準値
新生児期には対成人値比が約1.1で、その後漸増して11、12歳頃に最高値(対成人値比は約1.4)となりその後漸減して成人値になる。60歳以上で低下する。全年齢を通じて性差はほとんどない。
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
生理的変動
・日内変動や食事による影響はない。
体採取・測定条件
・EDTA血漿は,酵素活性失活のため測定不能となる。
関連項目
アンギオテンシンT,U
レニン
アルドステロン