子宮頸管粘液中顆粒球エラスターゼ

測定法:EIA法

外注会社:SRL

臨床的意義
 早産は周産期死亡の最も大きな原因の一つに挙げられます。早産において最も頻度が高いのは切迫早産や前期破水であり、これらは、子宮頸管炎や膣炎の上行波及による絨毛羊膜炎(CAM)に起因していることが多いといわれています。顆粒球エラスターゼは、体内に浸入した病原微生物や感染部位に早期に遊走する好中球より放出される中性プロテアーゼであり、生体内における炎症の存在をよく反映します。したがって、子宮頸管部より採取した粘液中の顆粒球エラスターゼを測定することにより、CAM発症以前に子宮頸管炎や膣炎の有無を知ることができます。それにより、早期に抗菌的治療を施すことが可能となり、切迫早産や前期破水の発症の予防に役立ちます。また、CAMなどの子宮内感染が関与している切迫早産例では、子宮収縮抑制剤の投与などの治療に抵抗性を示して早産に至るケースが多く、抗生剤の投与が必要であることから、本検査は、CAMが関与している切迫早産の鑑別、および抗菌的治療の必要性も含めた治療方針の決定に有用と考えられます。
 
基準範囲1.6 μg/mL 以下

採取容器:SRL(w6

関連項目

ヒト癌胎児性フィブロネクチン
B群溶連菌(GBS)培養
クラミジアトラコマティスlgG, lgA〔ELISA〕
クラミジアトラコマティスDNA
クラミジアトラコマティス抗原
淋菌rRNA
淋菌抗原

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