サイクリックAMP, cyclic adenosine monophosphate


測定法: RIA法(DCC法)

外注会社: LSIM(平成26年4月1日より社名変更)MCM(平成18年6月27日よりMBC;平成19年4月1日より社名変更)(平成18年6月26日までOML)

臨床的意義
 
サイクリックAMP(c-AMP、環状アデノシン3', 5'一リン酸)は、特異的レセプターへの結合を介して発現する各種ホルモンや神経伝達物質の生理作用のsecond messengerとして重要な役割を果たす物質である。エピネフリンやグルカゴンの血糖上昇作用を仲介する物質として発見された。動植物の組織や細菌に広く存在し、各種の代謝調節、細胞分化・増殖などにも関与することが知られている。細胞内で増加したc-AMPの一部は血中に流出し、肝における異化あるいは尿への排泄を経て消失する。尿中c-AMPの約60%が血漿に、40%が腎に由来するという。c-AMPは全身の臓器・組織に分布しており、種々の疾患で異常値の報告があるが、臨床的に有用性を認められているのは負荷試験における測定である。一つは副甲状腺機能低下症の病型分類におけるEllsworth-Howard試験で、外因性にPTHを投与後の尿中c-AMPを定量する。また、肝予備能検査としてグルカゴン負荷10分後の血漿c-AMP値が利用される。通常、グルカゴンを投与すると血漿c-AMP値は増加するが、劇症肝炎や非代償性肝硬変においては反応が著明に低下する。

異常値を示す疾患
高値疾患: 副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、心筋梗塞、肝硬変、閉塞性黄疸、躁鬱病、特発性浮腫、アトピー性皮膚炎、腎不全(血漿中)など

低値疾患: 副甲状腺機能低下症、甲状腺機能低下症、昏睡状態、腎不全(尿)

基準値

血漿 6.4〜20.8 pmoL/mL
尿 3.3〜6.1 μmoL/day

採取容器 血液:EDTA       尿:OML(尿容器

関連項目

サイクリックGMP

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