咽頭A群β溶連菌検出


臨床的意義
 
 A群β溶連菌は、β溶血を示す連鎖球菌であり、溶血毒や外毒素を産生することから病原性が強く、黄色ブドウ球菌と並んで最も化膿性炎症を起こしやすい細菌のひとつである。A群β溶連菌は、ヒトの咽頭粘膜に感染しやすく、咽頭炎、扁桃炎、猩紅熱などを起こし、稀に激症型A群連鎖球菌感染症を起こし重篤化することが知られています。また、急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症を起こす場合もあり、適切な治療を行うことが重要である。 

使用キット: ラピッドテスタ ストレップA

検体   :咽頭拭い液

原理   :イムノクロマト法

所要時間 :10分

判定   :定性

基準値: (-) 

採取容器:専用容器(乾燥綿棒)

結果の解釈における注意点

・本検査は、A群β溶連菌感染症の迅速診断の補助となるものであるため、確定診断は、臨床症状はもとより、培養検査などの他の検査方法の結果を合わせて総合的に判断されるものである。

・A群β溶連菌は、Streptococcus pyogenes以外にもあるため、本検査が陽性であってもStreptococcus pyogenes陽性という意味ではない。

・検体が、上気道の粘液であるため、A群β溶連菌以外の常在性の連鎖球菌は、多数認められる。そのため、交差反応性についても留意しなければならない。また、抗原を検出する検査なので、治療中の場合、死菌で陽性になることもある。以上のような現象は、本検査の陽性検体のうち約10%に認められる。

・最小検出感度は、1X10^5であるため、それ以下であれば検出できない。

 

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