尿中レジオネラ抗原検出
臨床的意義
Legionella属菌は、水や土壤などの自然界に広く分布していますが、近年、汚染された人口環境水や浴槽水のエアロゾルを吸入して軽症例のポンティアック熱、あるいは重症型の肺炎などのレジオネラ感染症を起こす症例が報告され問題となっている。これら感染症の起炎菌は9割以上が、Legionella pneumophilaでありその中でも血清型1が約半数を占めていると言われている。レジオネラ感染の検査法のうち、尿を検体とした抗原検査法は、非侵襲的に検体が採取できるうえ、腎臓で抗原濃度が血中より濃縮されて検査精度があがるという利点があり重要視されている。
使用キット:ディップスティック栄研 レジオネラ
検体:尿(1ml)
原理:イムノクロマト法
所要時間:15分
判定:定性
基準値: (-)
採取容器:滅菌長試験管
結果の解釈における注意点
・一般的に尿中抗原は、感染後2〜3日後から検出され多くの場合、約2週間は抗原が陽性が持続し、一部の症例では、肺炎治癒後も長期にわたって抗原が検出されることもあるため、結果の解釈は、既往歴や臨床症状を踏まえた上で判断する。
・陰性の結果は、レジオネラ感染の可能性を完全に否定するものではない。(尿中のL.pneumophila血清型1抗原量が感度以下の場合や、血清型が1以外の場合など)