マイコプラズマ・ニューモニエ(肺炎マイコプラズマ), Mycoplasma pneumoniae 


測定法: CF法, PA法(平成18年4月1日より)

外注会社:SRL

臨床的意義
 現在,ヒトから分離されるマイコプラズマは12種が知られているが,その中でヒトに対する病原性が確認されているのは肺炎をおこすM.pneumoniaeのみである。臨床上問題となるのは健康人にもしばしば発症する肺炎である。特徴としては小児や若年成人に多く,長期にわたる頑固な咳,白血球数は正常か軽度増加で,ペニシリン系およびセフェム系抗生剤が無効で,寒冷凝集反応が陽性の場合などがポイントである。マイコプラズマ肺炎が4年毎の周期で流行することはよく知られており,だいたいオリンピックが開催される年に一致している。しかし近年この周期性がはっきりしない傾向も見られる。血清学的診断法としては,急性期と回復期のペア血清にて測定し,抗体価の有意の上昇(通常4倍以上)をもって,感染の有無を判断する。CF法は主にIgG抗体,PA法は主としてIgM抗体が測定される。しかし実際の臨床ではシングル血清しかとれないことも多い。この場合には,CFでは64倍以上,PA法では40倍以上で陽性と考えるが,マイコプラズマ感染症では再感染もときにみられるので,CF抗体価は高値を持続することもある。あくまで臨床症状や検査所見を参考にして診断をつける必要がある。なお結核と誤診される場合がある. 

適応疾患
マイコプラズマ肺炎 ・ 合併症として肋膜炎 ,紅斑丘疹性発疹症,ギランバレー症候群,関節炎,中耳炎 

基準値: 40倍未満 

試薬変更:平成12年7月3日(月)依頼分より
変更内容:非特異反応の少ない改良試薬に変更

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

寒冷凝集反応
パラインフルエンザウイルス
アデノウイルス
結核菌

先頭に戻る    前ページに戻る