便中大腸菌O-157抗原検出


臨床的意義
 大腸菌O157:H7は、腸管出血性大腸菌(EHEC)のひとつに分類され、汚染された水や食物を経口的に摂取することで感染する。ヒトにおけるEHEC感染は、食品中に100個内外の菌数であっても腸管粘膜へ付着、増殖し、出血性腸炎を起こし、特に小児の場合、溶血性尿毒症症候群(HUS)を続発することが知られている。そのため、糞便中の大腸菌O157を迅速に検出することは重要である。

使用キット: キャピリアO157

検体   :便

原理   :イムノクロマト法

所要時間 :10分

判定   :定性

基準値: (-)

採取容器:
採便管

結果の解釈における注意点:

・本検査は、大腸菌のO157抗原に対する抗体を用いてイムノクロマト法で検出しているため、共通抗原をもっている菌であれば陽性となる。実際には、Salmonellaspp、Citrobactersppで認められており、確認は、培養検査しかない。

・検出感度は、5×10^5CFUであるため以下の場合は陰性となる。(水様性下痢の場合は注意!!) また、O157感染症の場合、臨床症状から治療が始まっている場合が多いため、治療中であると検出されないことがある。例え検出されたとしても、死菌で培養しても陰性となることがあるので注意する。

*O157感染症は、保健所に届出の必要な感染症であるが、実際には、培養で菌株を分離し、Vero毒素の産生が確認されてからである。 そのため、本検査において陽性だった場合、主治医に連絡するが、必ず培養検査のオーダの有無を確認して下さい。 

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