総IgE
外注会社:BML(令和4年7月29日より)
測定法:蛍光酵素免疫測定法
RIA法(核医学診療室)
測定機器:Phadia 250(平成21年12月22日より令和4年7月28日まで)
ユニキャップ100(平成21年12月21日まで)
臨床的意義
沈降定数7.9S、分子量は、約190.000でIgMについでで大きく、2本のH鎖と2本のL鎖より構成されている。
IgEの特徴的なことは、レアギン活性を有することで、これは他の免疫グロブリンにはない生物学的活性で即時型アレルギーに関与している。
防御的役割は、あるとしてもきわめて低いと考えられている。
アレルゲンへの曝露により産生されたIgEは、肥満細胞や好塩基球の表面に存在する高親和性のIgEレセプターに結合するが、
この状態のもとに再び侵入したアレルゲンがこのIgEに結合するとIgEが架橋されてレセプターが凝集し、細胞内へのカルシウムの動員、
細胞膜を介した情報伝達機構が作動し細胞が活性化されて脱顆粒を起こし、ヒスタミン、好酸球遊走因子および好中球遊走因子などの薬理学的活性物質が遊離される。
これと同時に細胞膜のアラキドン酸カスケードも活性化され、ロイコトリエンやプロスタグランジン、トロンボキサンなどの脂質メディエーターやインターロイキンなどのサイトカインが産生分泌され、
これらにより即時型アレルギーが引き起こされる。このようにアレルギーと密接な関係があり定量は、アトピー性疾患や寄生虫感染症などの診断や経過観察、治療効果判定などに有用である。
異常値を示す疾患
高値疾患: アレルギー性気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性アスペルギルス症、寄生虫感染症、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチなど
低値疾患: IgE骨髄腫以外の骨髄腫、慢性リンパ性白血病など
基準値:170 IU/mL以下
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
アレルゲン特異IgE抗体
皮膚試験
誘発試験