ミエリンベイシック蛋白(MBP)  (myelin basic protein)

測定法: EIA法(平成19年10月1日より)
           
RIA法(二抗体法)  (試薬供給中断により中止平成19年4月18日まで)

外注会社:LSIM (旧MCM平成26年3月31日まで)

臨床的意義
 
ミエリンベイシック蛋白(ミエリン塩基性蛋白;MBP)は神経のミエリンを構成する主要な蛋白質で、主たるものの分子量は18.5kDaである。ミエリンは中枢神経系の神経細胞の軸索に存在し、神経伝達系における電気信号を高速に伝導させる絶縁体である。実験動物にアレルギー性脳炎を発症させる起因蛋白として知られ、脱髄疾患の病態に深く関連している。MBPは中枢神経脱髄疾患である多発性硬化症(MS)で髄液中に増加がみられる。MSには緩徐慢性進行型と、急性増悪期が反復される型があるが、増悪期にMBPの異常高値がみられる場合が多い。またMBPは中枢神経脱髄疾患だけではなく、髄鞘を含むさまざまな脳実質障害が認められる疾患で高値になることがある。すなわち神経ベーチェット病や脊髄症で高い割合で高値を認め、脳炎、髄膜炎、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などでも陽性になることがある。血清中では干渉物質が存在するため通常測定されない。また血液が混入した髄液では偽陽性となる可能性があり、避ける必要がある。

異常値を示す疾患
高値:  多発性硬化症(MS)、神経ベーチェット病、脊髄症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、髄膜炎、脳炎 など

基準値: 102 pg/mL 以下(平成19年10月1日より)
       
4.0 以下 ng/ml(平成19年4月18日まで)


相関:旧試薬(RIA法)、新試薬(EIA法)

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管

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