トランスサイレチン(プレアルブミン), Transthretin

臨床的意義
 プレアルブミンは分子量薬5万5000の蛋白であり、免疫電気泳動を行うとアルブミンより陽極側に泳動されるためにプレアルブミンと呼ばれ、通常のセルロース・アセテート膜電気泳動ではアルブミン分画に含まれる。 プレアルブミンの血中濃度はアルブミンのおよそ1/200程度であり、肝細胞で合成される。 プレアルブミンの主な働きは、甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)と結合しその輸送蛋白となること(このためトランスサイレチンとも呼ばれる)、さらにレチノール結合蛋白(RBP)と複合体を形成して、RBPが腎糸球体から濾過されるのを防ぐことなどである。 プレアルブミン、RBP、トランスフェリンは半減期が短く代謝回転が速いのでrapid tuinover protein(RTP)と呼ばれる。 なかでもプレアルブミンは半減期が約48時間と短く、変動幅も大きいので術前、術後等の栄養状態の把握や、肝の蛋白結合能の把握に有用である。 また、炎症反応性疾患では、CRP等のような急性相反応物質は高値となるが、逆にプレアルブミンは低値になることが多い。一般に乳児では低く、加齢に従って増加し、16歳くらいでほぼ成人値に達する。

異常値を示す疾患
[高値]
甲状腺機能亢進症、腎不全、急性肝炎回復期、妊娠後期、高カロリー輸液時などの栄養管理実施時など
[低値]
蛋白欠乏性栄養状態、肝細胞障害、ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症、家族性アミロイドポリニューロパチー、急性炎症性疾患など

測定機器:日本電子BM8040(平成26年8月15日より)
     日本電子BM1650(平成18年7月18日より)

測定試薬: 日東紡(平成18年7月18日より)
        
基準値: 22〜40mg/dL


採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目
RBP
フェリチン


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