リュウマチ因子(RF)

臨床的意義
 
リウマトイド因子は、1940年にWaalerやRoseらにより発見され、最も古くから知られている自己抗体である。すべての自己抗体がそうであるように、リウマトイド因子もその生物学的な意義についてなお議論の中にあり、また、他の自己抗体にはみられない特有の性質も知られている。リウマトイド因子の定義では、@リウマトイド因子は自己抗体であり、A類似抗原との交差反応性を示し、B関節炎と関連を有し、CIgMクラスが優位であり、D慢性関節リウマチに高い頻度で現れるが疾患特異性が低い、などの性質がある。リウマトイド因子が自己抗体である以上、IgG、IgA、IgMのそれぞれのクラスに分類できるし、また、IgEクラスのものが血管炎に現れると報告されている。Cにいわれているように、IgMクラスのリウマトイド因子(IgM-RF)が血清中に自然に現れるリウマトイド因子としては優位である。IgGクラスのリウマトイド因子(IgG-RF)が、関節組織中にきわめて多量生産されているという証拠がある。IgG-RFについて、関節炎への寄与の大きさや、なぜ血液中に現れにくいかという問題が議論されている。また、IgG-RFが自己会合(self-association)するという性質を示すことから、リウマトイド因子としての活性以外にも、免疫複合体としての生物活性が考えられている。リウマトイド因子は、慢性関節リウマチを診断するためには欠かせない検査である。慢性関節リウマチ以外に原因が異なる多くの関節炎が存在し、血清中のリウマトイド因子陽性(seropositive)であるか、あるいは陰性(seronegative)であるかにより分類されている。例えば、関節炎を有しseronegativeである代表的な疾患として、骨関節症、リウマチ熱、痛風、感染性関節炎、ライター病、強直性脊椎炎などが知られている。特に、IgG-RFを検査する場合は、慢性関節リウマチの重症度や関節外症状について情報を得る意味がある。慢性関節リウマチの診断だけを目的として、IgG-RFを測定することはない。血清中にIgG-RFが現れるという現象がいかなる病態に基づいているのかは不明であるが、臨床的には血管炎や破壊性の関節炎とIgG-RFは強い相関を示す。

適応疾患:
慢性関節リウマチ(RA) ・全身性エリテマ トーデス(SLE) ・強皮症 (PSS) ・肝硬変 ・慢性肝炎・シェーグレン症候群 (SJS) 

測定方法: ラテックス免疫比濁法(平成29年5月24日より
       
免疫比濁法(平成29年5月23日まで)
 

測定機器:  日本電子BM6050(平成26年3月24日より)

        日本電子BM1650(平成18年7月18日より)

        日立7170自動分析装置(平成18年7月14日まで)

測定試薬: 日東紡績

基準値: 16 IU/mL未満
          
(18 IU/ml未満平成10年1月まで)
      
相関
平成29年5月24日



平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.04X-0.45 r=0.995  n=200

平成10年1月
X=旧試薬
Y=現試薬
Y=1.028X-5.95   r=0.951

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

血沈
CRP

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