ビタミンB12, VB12(Vitamin B12), コバラミン, cobalamin
平成18年7月18日より院内検査実施
外注会社:SRL(平成18年7月14日まで)
臨床的意義
ビタミンB12は造血ビタミンの一つであり,欠乏すると貧血,特に巨赤芽球貧血を起こす。その欠乏の原因として,ビタミンB12の摂取不足,吸収障害,および需要増大が考えられ,その結果生じたビタミンB12の代謝異常を示す診断に用いられる。ビタミンB12の吸収は,だ液中のR-タンパク(R-binder)がビタミンB12と結合し腸管内でR-タンパクが消化されて吸収されるが,胃粘膜から分泌される内因子と結合した後に,小腸の受容体と結合し吸収される。その後ビタミンB12は門脈を経てトランスコバラミンと結合して体内の臓器に移送される。そのため胃全摘の人は内因子が無くビタミンB12欠乏症になる。また高値となる骨髄性増殖性疾患や癌細胞の原因として,トランスコバラミンの類似蛋白産生の異常亢進(白血病細胞や癌細胞からの放出)が考えられている。
異常値を示す疾患
高値疾患: 慢性骨髄性白血病 ・ 真性多血症 ・ 肝癌
低値疾患: 胃切除後貧血 ・ 甲状腺機能亢進症 ・ 慢性膵炎 ・ 成人型悪性貧血
測定法:ECLIA法(平成24年4月25日より)
CLEIA法(平成18年7月18日より平成24年4月24日まで)
測定機器: コバス8000(e801)(平成29年12月8日より)
コバスe411(平成29年5月8日より平成29年12月7日まで)
Eモジュール(平成24年4月25日より平成29年5月2日まで)
Unicel DxI 800(ベックマン・コールター)(平成18年7月18日より平成24年4月24日まで)
基準範囲: 197〜771 pg/mL (平成28年11月1日より
257〜989 pg/mL (平成24年4月25日より平成28年10月31日)
180〜914 pg/ml (CLEIA法)(平成17年4月7日より平成24年4月24日まで)
233〜914 pg/ml (CLIA法)(平成16年7月4日まで)
249〜938pg/ml
相関
平成29年12月8日
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=0.991X+18.821 r=0.978 n=100
平成28年11月1日
平成24年4月25日
平成18年7月18日
X=外注(SRL)
Y=新機器
Y=0.885X+54.2 r=0.998 n=91
検体採取・測定条件
・赤血球内ビタミンB12は微量であるため,多少の溶血では血清ビタミンB12値へ影響しない。
生理的変動
・加齢とともに低下の傾向を示し,高齢者において男性が女性より高値を示す傾向にある。また妊娠月数の進行に伴い低下する。
・コーヒーはビタミンB12の吸収を促進し,アルコールの過飲は低下をきたす。
・菜食主義者では低下傾向を示す。
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
抗内因子抗体
抗胃壁細胞Ab