遊離コレステロール, FCHO ( free cholesterol )

平成17年3月28日より外注BML

臨床的意義
コレステロールは生体の細胞膜や血漿リポ蛋白外層を構成するほか、胆汁酸、各種ステロイドホルモンの前駆体となる重要な役割を果たしている。血中では脂肪酸とエステル結合しているコレステロールエステルとして約70%、残り30%は遊離コレステロール(FC)として存在している。体内のコレステロールは腸管からの吸収、肝臓を中心とした生合成、胆汁酸塩や中性ステロールとしての排泄によりバランスがとられている。FCは約60%が胆汁コレステロールとして分泌され、約40%が胆汁酸に変換されて分泌されており、コレステロールの流出部分として重要である。

測定方法: 酵素法

測定原理: 検体中の遊離型コレステロールは、コレステロールオキシダーゼで酸化され過酸化水素を副生する。この過酸化水素は、パーオキシダーゼの存在下で4アミノアンチピリンとN−エチル-N-(3−メチルフェニル)-N-アセチルエチレンジアミンと酸化縮合をおこさせ赤紫色キノン色素を生成する。生成したキノン色素極大波長555nm付近の吸光度を測定することにより検体中の遊離コレステロール含量を求める。

測定機器: 日立7350自動分析装置

測定試薬: 協和メディクス

基準範囲: 32〜69 mg/dL (相関:Y=0.946X-1.009  従来法:X)
                     
 31〜74 mg/dl(平成6年8月まで)

異常値を示す疾患

エステル比異常低値: LCAT欠損症、アポA-I異常、急性肝炎極期、劇症肝炎、肝硬変、閉塞性黄疸

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管 

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