酸化LDL, MDA-LDL
外注会社:MCM
臨床的意義
酸化LDLとは酸化的変性を受けたLDLの総称であり、LDL中の脂質過酸化生成物がLDLの主要な蛋白であるアポBを修飾したものが酸化LDLであると考えられている。代表的な脂質過酸化産物としてマロンジアルデヒド(MDA)が同定されており、MDAによりアポBが修飾を受けたLDLがマロンジアルデヒド修飾LDL(MDA−LDL)と呼ばれている。MDA−LDLは酸化LDLの代表的な構造の一つであると考えられている。経皮的冠動脈再建術(PCI)治療を行った糖尿病(DM)患者において、PCI治療前のMDA−LDL値と、PCI治療後に発生した再狭窄との関連を検討したところ、再狭窄群では非再狭窄群に比べMDA−LDLが高値を示し、MDA-LDL≧110U/Lの場合はMDA−LDL<110U/Lの場合に比べ、相対危険度5.3で再狭窄のリスクが高い結果を得ている。冠動脈疾患(CAD)既往歴のあるDM患者において、MDALDL値とその後4年間の追跡調査中に発生した心イベント発症との関連を検討したところ、MDA−LDL≧110U/Lの場合はMDA−LDL<110U/Lの場合に比べ、心イベント発症頻度が有意に高い結果を得ている。以上より、MDA−LDL値は冠動脈疾患既往歴のあるDM患者において、冠動脈疾患に関する予後予測のマーカーとして有用であることが示された。
測定方法: ELISA法
基準範囲: 非加齢群 46〜82 U/L(45才未満の男性及び55才未満の女性)
加齢群 61〜105 U/L(45才以上の男性及び55才以上の女性)
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管