レチノール結合蛋白, RBP(retinol-binding protein)

測定法:ラテックス凝集比濁法(平成24年4月2日より)
      
ネフェロメトリー法(平成24年3月30日まで)

外注会社:MCM(平成18年6月27日よりMBC;平成19年4月1日より社名変更)(平成18年6月26日までOML)

臨床的意義
 レチノール結合蛋白(RBP)は血中レチノール(ビタミンA)の特異輸送蛋白であり、主に肝臓で生成される。腸管より吸収されたレチノールはいったん肝臓に貯蔵され、RBPと結合して血中に分泌されるため、血中ビタミンA濃度は肝のRBP生成能と密接な関連を有する。また、RBPの生成自体は肝細胞のビタミンAレベルによる調節を受けており、ビタミンAとRBPの動きは並行する場合が多い。ビタミンAを結合したRBPはさらにプレアルブミン(PA)と複合体を形成して標的組織に転送されるが、ビタミンAを組織内に移行させた後にはPAから遊離し、腎糸球体の濾過および尿細管での再吸収を経て異化される。RBPは血中の半減期が12〜14時間と短くプレアルブミンなどと同様に“rapid turnover protein”としての性格を有する。このため短期間の栄養状態の変動を捉える有用な指標となり、術前の栄養状態の把握などにも用いられる。また、肝胆道疾患や腎疾患の病態把握にも用いられ、前者で血中濃度は減少、後者で増加する。

(透析患者における検査の意義)
 腎糸球体機能の指標となる。腎不全患者では糸球体濾過機能の低下に伴ってRBPが著明な高値を示す。血中RBP値の上昇は遊離型RBPの増加によるものであるため、ビタミンAとのモル比が変動する(正常者の血中RBP/レチノール比は約1.2である)。尿細管障害では再吸収機能障害のため、尿中にRBPが排泄されるようになる。
 
異常値を示す疾患
高値疾患:  栄養状態(脂肪肝、高脂血症)、腎不全

低値疾患:  ビタミンA欠乏症、吸収不良症候群、重症肝障害、閉塞性黄疸、甲状腺機能亢進症、感染症、外傷など

基準値: M:2.7〜6.0 mg/dL 、F:1.9〜4.6 mg/dL(平成24年4月2日より)

      
2.9〜7.9 mg/dl(平成24年3月30日まで)

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
 
関連項目


β-カロチン
ビタミンA
プレアルブミン

先頭に戻る    前ページに戻る