PHAによるリンパ球幼若化検査, Con-Aによるリンパ球幼若化検査

lymphocyte blastoid transformation by PHA
lymphocyte blastoid transformation by Con-A

測定法:3H -サイミジン取込み能(PHA), 3H-サイミジン取込み能(Con-A)

外注会社:SRL

臨床的意義
 マイトジェンに対する リンパ球芽球化反応はT細胞の機能不全の有無を知るために行われる。それにより,T細胞不全を合併するような疾患,感染予防計画,原疾患の重症度などT細胞機能との関係など病勢予後の経過観察などに利用される。T細胞マイトジェンとして用いられるこれらのマイトジェンは末梢血T細胞に対して,ほぼ同程度の刺激能を示し,ヘルパーT細胞およびサプレッサーT細胞の両方を活性化できる。しかし,かならずしもT細胞サブセットを同程度に活性化する訳ではない。PHAはCD8陽性細胞よりもCD4陽性細胞を強く活性化するのに対し,Con-AはCD8陽性細胞の方を強く活性化する。T細胞不全症が疑われる場合には, 輸血や生ワクチンの接種を避けなければならない。

異常値を示す疾患 
高値疾患: 橋本病ではConA刺激で上昇する

低値疾患: 原発性免疫不全症 ・複合免疫不全症 ・ADA欠損症 ・CD8欠損症 ・感染症 ・Down症候群 ・SLE・ネフローゼ 症候群

相関(測定機器の変更)平成17年12月1日より
新:
マイクロプレートシンチレーション・ルミネッセンスカウンターPerkin Elmer Life and Analytical Sciences)
従来:
液体シンチレーションカウンターPerkin Elmer Life and Analytical Sciences)

PHA: y =0.908x+575.305 r=0.981  y:新 x:従来 n=50


基準値

PHA 20,500〜56,800(Control 127〜456) (cpm)
Con-A 20,300〜65,700(Control 127〜456) (cpm)

 

平成17年11月30日まで

PHA 26,000〜53,000(Control 70〜700) (cpm)
Con-A 20,000〜 48,000(Control 70〜700)(cpm)

検体採取・測定条件
専用容器(ハンクス保存液)を用い,室温保存をする。
・採血やリンパ球 の分離・培養操作はすべて無菌的に行う必要がある。

生理的変動 
・日差,採血時間,喫煙,放射線や薬物治療の有無などの内因的条件によっても影響を受ける。
・年齢的変化として生後3カ月まで高値を示す。それ以降は成人値とほぼ同程度となる。50〜60歳以降の高齢者になると低下する。

関連項目

IgG
IgA
IgM
ASO
ASK
リンパ球サブセット検査

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