ガストリン, gastrin


測定方法: RIA法(PEG法)

外注会社: BML(平成15年3月31日まで大塚)

基準範囲: 42〜200 pg/mL
(平成15年3月31日まで30〜150 pg/ml)

臨床的意義
 
ガストリンは、胃幽門粘膜および十二指腸粘膜に存在するG細胞で産生される分子量2,096の直鎖ペプチドで、17個のアミノ酸から構成される消化管ホルモンであり、幽門粘膜からは、リトルガストリン(G-17)と生理活性を有しないN端部分ペプチドが分泌され、十二指腸粘膜からは、主にビッグガストリン(G-34)が分泌される。G細胞は管腔に直接絨毛を出す開放型(open type)であり、そのため胃内腔のpHなどの化学的刺激、伸展、圧迫などの機械的刺激あるいは、迷走神経刺激を受けて分泌されて壁細胞上のガストリンレセプターに働き、胃酸分泌の調節に重要な役割を果たしている。ガストリンは、腎で代謝され尿中にはほとんど排泄されないが、生理活性のないN端部分ペプチドは、腎で代謝されず尿中に排泄される。胃酸分泌機能の背景因子を調べる検査の一つであり、胃酸分泌機能の測定と併せて行われる。Zollinger-Ellison症候群を代表とするガストリン産生腫瘍をはじめとする種々の疾患で高値を示し、ECL細胞由来のカルチノイドの発生予防などに有用である。

異常値を示す疾患
高値疾患: 
Zollinger-Ellison症候群、幽門洞粘膜過形成(antral hyperplasia)、胃幽門部空置症、幽門狭窄、副甲状腺機能亢進症、慢性腎障害、閉塞性黄疸、胃潰瘍、慢性萎縮性胃炎、迷走神経切断術後、胃炎(type A)、悪性貧血、H.pylori感染

低値疾患: 逆流性食道炎、胃炎(type B)

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

胃液検査
胃内視鏡検査
カルシウム負荷試験
セクレチン負荷試験
食事負荷試験


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