BTR ( Branched chain amino acid & Tyrosine Ratio )
平成14年3月31日まで院内検査
平成14年4月1日より外注(MBC)
平成19年4月1日より社名変更MCM
平成26年4月1日より社名変更LSIM


臨床的意義
 肝硬変等の肝障害時には、肝臓で特異的に代謝されるチロシン、フェニルアラニンといった芳香族アミノ酸(AAA)の血中濃度が上昇し、バリン、ロイシン、イソロイシン等の分岐鎖アミノ酸(BCAA)が筋肉、脂肪組織で消化され、血中濃度が低下する。そのため、分岐鎖アミノ酸(BCAA)/芳香族アミノ酸(AAA)モル比は、肝の代謝機能の低下の指標となる。この比は、Fischer比と呼ばれている。BTRは ( Valine + Leucine + Isoleucine ) / Tyrosineモル比である。Fischer比と異なり、芳香族アミノ酸(AAA)としてチロシンだけを測定している。BTRもFischer比と同様肝の代謝機能の低下の指標となる。

測定機器 日立7150自動分析装置(平成14年3月31日まで)

測定試薬: ダイヤカラーBTR(小野薬品)(平成14年3月31日まで)

測定原理
a ( Valine + Leucine + Isoleucine ) 測定
  ロイシンデヒドロゲナ−ゼを作用させ、NADより生じたNADHと1-M-PMSからMTTを還元し、ホルマザンの発色へ導き吸光度を測定する。

b Tyrosine測定
チロシンデカルボキシラーゼを作用させて、生じたチラミンにチラミンオキィシダーゼを添加する。そして生成したH2O2はペルオシダーゼの作用で4-アミノアンチピリンとN-エチル-N(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-m-トルイジンを酸化縮合させ発色させる。吸光度を測定する。 

基準範囲: BTR 4.41〜 10.05, ( Valine + Leucine + Isoleucine ) 344〜713 μmol/L, Tyrosine 51 〜98 μmol/L
(平成14年4月1日より)

BTR 4.74〜 9.09, ( Valine + Leucine + Isoleucine ) 328〜732 μmol/l, Tyrosine 50 〜108 μmol/l(平成14年3月31日まで)

採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管

参考文献
P.B.Soeters,J.E.Fischer : The Lanncet October 23 880 , 1976
   

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