CA72-4, cancer-related antigen 72-4
臨床的意義
CA72-4は、pancarcinoma antigen であるTAG-72の測定感度を向上させる目的で開発された血清腫瘍マーカーの名称である。Colcherらは、乳癌の肝転移細胞膜成分分画をマウスに免疫し、IgG型のモノクロナール抗体B72.3を得た。Jonsonらは、B72.3で認識される抗原をTAG-72(分子量100万ダルトン以上、糖蛋白)と命名した。TAG-72は、正常細胞には陰性で前癌病変から出現し偽陽性が少ない点で優れており広範囲の癌を認識する腫瘍マーカーとして期待された。しかし陽性率が低く測定感度の向上が望まれた。その後、B72.3を125I標識抗体とし大腸癌の培養細胞株(LS-174T)に含まれるTAG-72の精製抗原をマウスに免疫して得られたモノクロナール抗体CC49をビーズ固相抗体としたCA72-4が開発された。意義として,消化器,生殖器のムチン性腺癌で高い陽性率を示し,特に再発胃癌での陽性率が高い。これらの治療経過観察や,再発の確認モニターとして有用である。
高値疾患: 胃癌、大腸癌、卵巣癌など
測定方法: 測定方法: ECLIA法
EIA法:ES600(平成5年2月15日〜平成13年2月12日)
測定機器: コバス8000(平成29年5月8日より)
Eモジュール(平成18年7月18日より平成29年5月2日まで)
エクルーシス2010(平成18年7月14日まで)
相関
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.032X+0.616 r=0.996 n=107
平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=0.996X-0.334 r=0.999 n=100
平成13年2月13日
X=ES600
Y=エクルーシス2010 Y=1.012X-1.213
r=0.983 n=108
測定試薬: ロシュ
基準範囲: 5.3 U/ml 以下
10 U/ml 未満(平成5年2月15日〜平成13年2月12日)
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管