癌胎児性抗原, CEA(carcinoembryonic antigen) 


臨床的意義
 
癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen;CEA)は、1965年Goldらによりヒト大腸癌組織および胎児腸管に存在する癌特異抗原として報告されたが、後にcarcinoembryonicな性格は否定された。癌のみならず一部の良性疾患でも血中に増量しさらに成人正常組織にも存在するが多くの癌でCEAの産生がみられ、また腫瘍の消長が血中値の変動に反映されることなどから癌の診断および治療のモニターに最も広く利用されている。CEAは、分子量約18万の糖蛋白で電気泳動上βグロブリン域に幅の広いバンドとして泳動される。CEAの精製標品の分析値は、かなり差異があるがこれは、糖部分の多様性によるもので糖含有量は50〜60%である。CEAの蛋白部分は一定で約600個のアミノ酸よりなっている。またCEAは1分子中に24〜26個の糖鎖が結合している。CEAには肺、脾臓より抽出されたNCA(non-specific cross reacting antigen)及び胎児便中のNCA-2、正常成人糞便中のNFA-1(normal fecal antigen-1)、NFA-2など,CEA抗血清と交叉反応性を有するCEA関連抗原の存在が知られている。 

高値疾患: 各消化器癌 ・ 肺癌 ・ 糖尿病 ・ 甲状腺機能低下症

測定方法: 電気化学発光法(ECLIA法)

測定機器: コバス8000(平成29年5月8日より)
        Eモジュール(平成18年7月18日より平成29年5月2日まで)
        エクルーシス2010(平成18年7月14日まで)

相関
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=0.988X+0.389 r=1.000  n=137

平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.09X-1.75 r=0.999  n=111

測定試薬: ロシュ

基準範囲: 5.0 ng/ml 未満

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

生理的変動
・加齢により軽度上昇,喫煙者で高値を示す。 

関連項目

TPA
IAP
BFP
AFP
CA19−9
CA125

先頭に戻る    前ページに戻る