前立腺特異抗原, PSA (prostate-specific antigen)


臨床的意義
 
前立腺特異抗原(prostate-specific antigen; PSA)は、前立腺組織に特異的な糖蛋白であり、キニン・カリクレイン系のプロテアーゼの一種である。このため大部分のPSAは、血中においてプロテアーゼインヒビターとの複合体を形成している。前立腺癌のスクリーニング、診断におけるPSA測定の意義は高いが、良性前立腺肥大や急性前立腺炎で異常値を示すことがある。しかし、前立腺癌患者のフォローアップにはきわめて有用である。

異常値を示す疾患
軽度上昇疾患: 
BPH、慢性前立腺炎

中等度上昇疾患: 急性前立腺炎、早期前立腺癌

高度上昇疾患: 
進行性前立腺癌

測定方法: 電気化学発光法(ECLIA法)

測定機器:  コバス8000(平成29年5月8日より)
         Eモジュール(平成18年7月18日より平成29年5月2日まで)
         エクルーシス2010(平成18年7月14日まで)

測定試薬 ロシュ

基準範囲: 2.0 ng/ml 未満(平成10年4月1日より)
       
4.6ng/ml  未満(平成10年3月31日までEIA法)

相関
平成29年5月8日
X=旧機器
Y=新機器
Y=0.982X+0.140 r=1.000  n=104

平成18年7月18日
X=旧機器
Y=新機器
Y=1.05X-0.98 r=0.998  n=100

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目

Complex PSA、PSA-ACT
フリーPSA/トータルPSA比
PSA/前立腺容量(PSA-density; PSAD)


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