アデノウイルス, adenovirus


測定法: CF,NT法

外注会社:SRL

臨床的意義
 
ヒトアデノウイルスは飛沫感染により伝播し,主な増殖部位は扁桃,アデノイドなどと,気道,小腸,角結膜などの粘膜上皮で,感染によって,限局性の急性疾患を起こし,リンパ組織においては不顕性の潜伏感染を起こす。1982〜93年に我が国でヒトから検出されたアデノウイルスは17,032件(1994年4月21日現在数)で,臨床症状としては,上気道炎(51%),角結膜炎(33%),胃腸炎(18%)のほかに下気道炎, 肺炎(6.4%)などが報告されている。血清型では47型まで確認されており血清型と疾患,臨床像との間に 一応の傾向がみられるが,感染部位によりいくつかの臨床像を呈する。急性上・下気道感染症(1〜7型),咽頭結膜熱(3.7型),流行性角結膜炎(3・7・8・19・37型)と深い関連があるほか,乳幼児下痢症(40・41型),出血性膀胱炎(11型)などが報告されている。しかし,血清型が特定されていない発疹性疾 患,消化器疾患などがある。このような疾患がアデノウイルスに起因するか否かを調べるのが検査の目的である。臨床検査としては症状に応じて咽頭ぬぐい液・眼ぬぐい液,尿などを採取してウイルス分離をおこない血清学的検査として急性期および回復期のペア血清で4倍以上の有意上昇をみとめられた場合に疾患との因果関係を判断することも可能である。

適応疾患
 上気道炎(普通感冒,咽頭炎,クループ) ・ 肺炎 ・ 流行性角結膜炎 ・ 咽頭結膜熱 ・ 出血性膀胱炎 ・ 発疹症

基準値

検査方法 検査材料、基準値
CF・NT 血清   4倍未満
髄液  1倍未満

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管 

関連項目

パラインフルエンザウイルス
インフルエンザウイルス
ロタウイルス

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