C型肝炎ウイルスコア抗原, hepatitis C virus core antigen 
平成18年4月10日より

臨床的意義
 C型肝炎ウイルス(HCV)は、ヒトに慢性の肝障害を引き起こすフラビウイルス科のRNAウイルスである。おもな感染経路は輸血をはじめとする血液とされるが、明らかな感染のきっかけが不明の症例も多い。HCVの検出法がなかった1980年代後半まで、輸血による肝炎発症はまれではなかった。HCVは急性肝炎を起こすほか、ウイルスが排除されない場合は慢性化し、10年以上の長い年月を経て肝硬変から肝細胞癌に進展する。現在わが国でみられる原発性肝癌(肝細胞癌)の多くはC型肝炎ウイルスが原因である。肝癌への進行阻止には、ウイルスの増殖を抑え、排除をはかる必要があり、インターフェロン等はその目的で投与される。

 治療効果をみるために、従来はPCR法によるHCV-RNAの定量が行われてきたが、高感度な反面、大量処理ができないためコストがかさみ、頻回に測定することは困難であった。これを解決するのが「HCVコア抗原」である。

 本法はHCVの抗原蛋白をCLEIA法により直接定量するもので、検査費用はPCR法の約3分の1である。感度についてもDNAプローブ法より高感度で、PCR法とほぼ同等の検出感度と特異性が報告されている。

 本法での有病正診率は約98%、無病正診率はほぼ100%であり、核酸検出法でしばしば問題となるHCV遺伝子型に対する反応性の差もないとされている。基準範囲はウイルスが存在しない状態を想定し、定量下限値の20 fmol/L未満と設定されている。測定上限値は特に設定していない。なお、類似項目である「HCVコア蛋白質」は、現在より感度の高い本法に置き換わっている。(MBC項目解説より)

測定方法: CLIA(化学発光免疫測定法)(平成24年12月13日より
        CLEIA(化学発光酵素免疫測定法)
(平成18年4月10日より平成24年12月13日まで)

測定機器: アーキテクトi2000SR(アボット株式会社)(平成24年12月13日より
        
ルミパルスf(富士レビオ株式会社)
(平成18年4月10日より平成24年12月13日まで)

基準範囲: 3.00 fmoL/L未満 (平成24年12月13日より
       
50 fmoL/L未満  (平成18年4月10日より平成24年12月13日まで)


相関:平成24年12月14日

判定一致率: 87.3

ARCHITECT

220 / 252

3 fmol/L以上

3 fmol/L未満

合 計

CLEIA

50 fmol/L以上

64

3

67

 

50 fmol/L未満

29

156

185

合 計

93

159

252



採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管

 

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