HTLV-I,ATLV, human T lymphotropic virus type I
平成23年7月7日より院内実施
外注会社:SRL(平成23年7月6日まで:測定法: FA法)
臨床的意義
ヒトT細胞向性ウイルスI型(HTLV-I)は,成人T細胞白血病(ATL) の原因ウイルスとして発見され,さらにHTLV-I関連脊髄症(HAM)や慢性肺疾患, 関節炎,ぶどう膜炎などとの関連が明らかにされ,他臓器癌,糞線虫症などへの関与 も指摘されている。ATLのキャリアから発症は,約750人から2,000人のキャリアの中から1年 につき1人の発症が推察されている。キャリアからのATLの発症はほとんど母子間感染例であり,成人以降にHTLV-Iに感染した場合,ATLを発症する可能性は極めて低いとされている。HTLV- Iの血清学的検査の目的は,白血病・リンパ腫などの血液疾患や脊髄症を含む種々の病態におけるHTLV-Iの関与の検討や,献血者や妊婦のスクリーニングによるキャリアの発見と輸血や 母子間の感染の予防およびHTLV-Iウイルスの地域的な漫淫度と,その感染経路の解 明のための疫学調査などに用いられる。HTLV-I抗体の測定にはゼラチン凝集法(PA法),酵 素免疫法(EIA法),蛍光抗体法(FA法),ウェスタンブロット法(WB法)などがある。PA法は簡便で多数の検体を測定できるため,献血者スクリーニングに適しているが, 低力価での偽陽性,非特異反応などが問題である。EIA法には自己抗体による非特異反応がみられる。よって,一つの方法のみの判断では危険であり,FA法,WB法での確認を行い,病名 や家族歴を確認したり,経過観察も必要である。またHTLV-I抗体陽性の場合,その個人 はHTLV-Iに感染していると判断できる。ただし,ATLと最終診断するためのウイルス学的検査としてはリンパ球(末梢血またはリンパ節細胞)の内部にHTLV-IプロウイルスDNAがモノクローナルに組み込まれていることをサザン法・ PCR法などを用いて証明する必要がある。
適応疾患
ATL, HAM, HTLV-I 関連疾患
測定法: CLEIA法
測定機器: ルミパルスL2400(平成29年5月8日より)
ルミパルスプレスト(平成23年7月7日より平成29年5月2日まで)
基準値: 1.0 C.O.I 未満(平成23年7月7日より)
5倍未満(平成13年7月7日〜平成23年7月6日)
10倍未満(平成13年7月6日まで)
従来法との一致率
(平成19年5月8日)
PrestoU(C.O.I.) | ||||||||
陽性 | 陰性 | total | ||||||
L2400 (C.O.I.) |
陽性 | 7 | 0 | 7 | ||||
陰性 | 0 | 93 | 93 | |||||
total | 7 | 93 | 100 | |||||
一致率100.0%(100/100) |
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管