インフルエンザウイルス抗原, Influenza virus typeA typeB


臨床的意義

 インフルエンザは急性の呼吸器系伝染病を代表するウイルス性疾患で,短期間に飛沫または飛沫感染によって人から人へと広がり,その症状は,発症時から全身症状(悪寒,発熱,頭痛,倦怠感,筋肉痛,関節痛など)が強く,ついで上気道炎の症状(鼻汁,咽頭痛など)がみられる。また,二次的に併発する肺炎などによる死亡者の発生を防ぎ,社会的あるいは個人的被害を最小限に食い止めなければならない。したがって,かぜ様患者からインフルエンザウイルス感染者をウイルス学的検査と血清学的検査によって早期に確診することが有用である。インフルエンザは抗原性の違いによりA,B,Cの3型に分類され,A型ではウイルス表面に存在するヘムアグルチニン(HA)の抗原性で13亜型に,ノイラミニダーゼ(NA)の抗原性に基づいて9亜型に分けられる。B,C型には亜型は存在しない。これまでに世界的な大流行を起こしてきたのはA型であり,HAやNA遺伝子の突然変異により変異株が次々に出現する。これまで流行したA型インフルエンザはA/H1N1(ソ連型)、A/H2N2(アジア型)、A/H3N2(ホンコン型)という亜型である。

測定法: EIA法

測定機器:クイックチェイサーImmunoReader(平成24年12月14日より)(夜間休日検査は同日1715から)
       用手法(平成24年12月13日まで)

検出感度:

 

変更後

変更前

検出感度 インフルエンザAウィルス抗原
2.19×102TCID50
インフルエンザAウィルス抗原
2.20×104TCID50
インフルエンザBウィルス抗原
2.13×103TCID50
インフルエンザBウィルス抗原
1.10×105TCID50

*TCID50:試料の10のウィルス希釈液をMDCK細胞に接種して50%の細胞変性効果(CPE)の現れるウィルス希釈倍数をTCID50という。

*血液混入により偽陰性となる事がありますので注意して下さい。


材料: 
鼻腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液

基準値: 陰性

相関:
 


関連項目

アデノウイルス
RSウイルス
マイコプラズマ
エンテロウイルス

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