日本脳炎ウイルス, Japanese encephalitis virus
測定法: CF,HI(中山株・JaGAr株)法
外注会社:SRL
臨床的意義
日本脳炎は典型的な急性脳炎であり,致命率が20〜50%と高く,回 復者の約半数も精神・神 経障害を伴う後遺症を残すことから重要視され,日本では法定伝染 病の一つである。1967年以前かなりの猛威をふるっていたが,1972年からは患者発生数は減少し 毎年数十人の患者の発生が認められるのみとなった。ワクチンについては1954年以来,中山・予研株が 用いられていたが,1990年より北京株に変更された。
感染経路・潜伏期
潜伏期は4〜21日, 夏〜秋に流行(感 染地域は西高東低)がみられコガタアカイエ蚊やその他の蚊によって媒介され(吸血の際,皮 下の毛細血管にウイルスを含む唾液を注入),血管内皮細胞とリンパ節,肝臓,脾臓,その他細網内皮系細胞で増殖し血流あるいは鼻神経を介して脳 内に侵入し,脳の神経 細胞で増殖して細胞を破壊することによって,脳炎特有の症状を呈する。しかし,日本脳炎ウ イルスを注入されたヒトの約300人に1人が脳炎を発症し,大多数 は末梢でウイルスが増殖するが ,中枢神経まで侵入しない不顕性感染に終始することが多い。
適応疾患
脳炎 ・ 髄膜炎
基準値
検査方法 | 検査材料、基準値 |
CF | 血清 4倍未満 |
髄液 1倍未満 | |
HI(中山株・JaGAr株) | 血清 髄液 10倍未満 |
採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管
関連項目
単純ヘルペスウイルス
ムンプスウイルス
麻疹ウイルス
エンテロウイルス