麻疹ウイルスIgG,IgM, measles virus IgG,IgM
麻疹ウイルスIgG(平成20年11月27日より院内実施)


測定法: EIA法

外注会社:SRL

臨床的意義
 
麻疹ウイルスはヒトの麻疹(はしか:measles)の原因ウイルスで ある。麻疹ウイルスは患者の咳の飛沫,鼻汁などを介して健康人の気道や鼻粘膜に感染する。ウ イルスの潜伏期は約10日である。麻疹に罹患すると微熱,咳,鼻炎,結膜炎,高熱の順で臨床 症状が現れる(前駆期)。この期間が数日続いたのち発疹が生じる(発疹期)。発疹期は約5日間続き,回復へと向う(回復期)。特に前駆期の終わりに口腔粘膜にみられるコプリ ック斑は麻疹に特徴的である。臨床上麻疹に類似する猩紅熱,風疹,突発性発疹などとの区別が 困難な場合,また気管支炎,肺炎,中耳炎などの合併症,さらに麻疹ウイルスによる持 続感染症としての麻疹後脳炎,亜急性硬化性全脳炎(SSPE)などが疑われる場合には血 清診断が必要である。血清学的診断として麻疹の急性期と回復期の血清について種々の方法 により麻疹抗体価を測定し,両者の間で有意の値の上昇がみられれば,麻疹罹患を確診する。また,中枢神経系疾患の場合,EIA法IgG補促法による髄液中の局所抗体の証明が,また感染 初期の血中抗体検査はEIA法IgMが有用であり,ワクチン接種後の抗体チェックには6− 8週後にEIA法IgGが用いられる。抗原の検出にはウイルス分離とPCR法を用いた遺伝子解析なども有用である。

適応疾患
麻疹 ・ 合併症として気道感染症 ・ 中耳炎 ・ 脳脊髄炎 ・ 脳炎 ・ 亜急性硬化性全脳炎(SSPE) 


麻疹IgG(平成20年11月27日より)
測定装置 : Mini VIDAS

測定原理 : 蛍光酵素免疫測定法

測定試薬 : バイダスアッセイキット 麻疹IgGシスメックス・ビオメリュー株式会社)

一致率
 


基準値
IgG(平成20年11月27日より)
 

判定 TV
0.5未満
判定保留 0.5以上0.7未満
0.7以上

TV=検体蛍光強度/スタンダード蛍光強度

平成20年11月26日まで

判定 EIA価
2.0未満
± 2.0〜3.9
4.0以上

IgM

判定 抗体指数
0.80未満
± 0.80〜1.20
1.21以上

ウイルス抗体EIA(IgG補促法):髄液

判定基準 ± 1+ 2+ 3+ 4+
抗体力価表示
:OD値
0〜0.150 0.151〜0.250 0.251〜0.600 0.601〜0.900 0.901〜1.200 1.201〜2.000



平成16年7月5日より変更

麻疹ウィルス IgM (EIA)  麻疹ウィルス IgG (EIA) 

EIA[新法(BEPV)]
(C.O.I)

 

 

 
EIA〔現法(マニュアル)〕(C.O.I)

EIA[新法(BEPV)]
(C.O.I)

 

 

 
EIA〔現法(マニュアル)〕(C.O.I)
± ±
0.8> 0.8〜1.2 1.21≦ 2.0> 2.0〜3.9 4.0≦
(−)
  
0.8>  
21 2   (−) 
 
2.0>  
9    
(±)
    
0.8〜1.2  
3 13 2 (±)
    
2.0〜3.9  
1 6  
(+)
    
1.21≦  
  2 57 (+)
    
4.0 ≦
  1 83
(n=100) (n=100)
一致率: 91% 一致率: 98%


採取容器:
茶)生化学一般用分離剤入り試験管

関連項目


風疹ウイルス 
エンテロウイルス 
単純ヘルペスウイルス 
EBウイルス 
ヒトヘルペスウイルス6型 
アデノウイルス 
ヒトパルボウイルスB19 

先頭に戻る    前ページに戻る