パラインフルエンザウイルス, Parainfluenza virus


測定法: HI法

外注会社:SRL

臨床的意義
 パラインフルエンザウイルスは、パラミキソウイルス科のRNAウイルスで、ノイラミニダーゼ、赤血球凝集能をもつ。血清型は、1〜4型に分類され、主に1〜3型がヒトの呼吸器感染症を引き起こす。1型および2型は、2年ごとに秋から冬に流行する傾向がある。3型は感染力が強く、毎年年間を通して発生し、1歳までに50%以上、3歳までにほとんどが感染する。一方、1・2型の感染は2〜6歳に多く、1型は学級閉鎖の原因となることがある。4型の感染は広範に起こるが、ほとんどが不顕性感染である。感染の特徴は、初感染は顕性感染、再感染は軽症の上気道感染または不顕性感染を示すことである。また、2歳未満の小児に感染することが多く、急性の喉頭気管気管支炎(クループ)、気管気管支炎、細気管支炎、肺炎などの下気道感染を起こしやすく、重篤な症状を呈する場合がある。クループは1〜2歳に多く、約65%は1型による。生後4ヶ月までの乳児の下気道感染症はほとんどない。成人では、症状は軽いか不顕性感染に終わる。感染様式は飛沫による経気道感染で、潜伏期は2〜4日である。感染防御の主体は、鼻汁中の特異的IgA抗体である。血中抗体があっても再感染するが、症状は軽い。しかし細胞性免疫不全状態では、巨細胞性肺炎を起こすことがある。発生は、散発例が多いが、小規模の流行を起こすこともある。臓器移植後の感染症では予後不良の場合がある。急性気道感染症を確定診断する目的で検査する。一般的に、かぜ様疾患を臨床的に確定診断することは困難である。同一ウイルスによる感染でも症状が異なることも多く、似た症状をきたすウイルスは多種存在する。したがって、臨床症状、年齢、季節、流行状況その他の情報から的を絞って検査し、診断を確定する。通常は軽いかぜ症状、微熱、鼻汁、咽頭発赤、咳嗽などを呈し、数日で治癒する。

適応疾患
  パラインフルエンザ1型・2型 ・ 3型

基準値: 血清・髄液:10倍未満 平成12年9月25日依頼分から
          
血清・髄液:32倍未満 平成12年9月24日まで)

平成12年9月25日依頼分から下記に変更

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管   

関連項目


インフルエンザ
RS
アデノ
ジフテリア

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