ポリオウイルス, Poliovirus


測定法: CF,NT法

外注会社:SRL

臨床的意義
 ポリオウイルスはエンテロウイルス属に属し,小児麻痺(急性灰白髄膜炎)の病因ウイルスである。感染は主に経口感染でまれに飛沫感染する。生体へは咽頭壁,腸管粘膜上皮細胞より侵入し局所リンパ節で増殖後,血中を介して各組織の細胞融解および中枢神経系へ到達し神経細胞の破壊をおこす。好発部位は脊髄・延髄・橋・中脳がもっとも多い。日本では経口ポリオワクチン(1961年から)が十分に行なわれているので野生ポリオウイルスによる麻痺はまずないといってよい。そのため麻痺を起こした場合にはポリオウイルス以外のウイルスによるものとの鑑別が大切である。抗原検出は可能でありウイルスは通常は糞便から分離される。また,ポリオウイルスに対する抗体の有無,およびポリオワクチンの効果判定のチェックでは中和反応(NT)と補体結合反応(CF)があり,感度と型特異性ではNT法が優れている。経口ポリオワクチンは2回服用し,免疫獲得率は1.2型が90%で3型が80%である。100万接種あたり1例以下の麻痺症例の発生がみられる。

適応疾患
 運動麻痺(筋萎縮を伴う完全麻痺) ・ 無菌性髄膜炎(非麻痺型ポリオ)

基準値

検査方法 検査材料、基準値
CF・NT 血清  4倍未満
髄液  1倍未満

採取容器:茶)生化学一般用分離剤入り試験管   

関連項目

コクサッキーA群
コクサッキーB群
エコーウイルス

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