イマチニブ血中濃度


測定法: LC-MS/MS法(平成27年10月15日より)

     
 
外注会社:BML

臨床的意義:イマチニブは、フィラデルフィア染色体の遺伝子産物BCR-ABL を標的として開発された分子標的治療薬であり、慢性骨髄性白血病( CML)、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病 (Ph+ALL)、KIT (CD117) 陽性消化管間質腫瘍 (GIST)及びFIP1L1-PDGFR α陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病(HES/CEL)に対する治療薬として用いられています。フィラデルフィア染色体では、チロシンキナーゼ活性が亢進したBCR-ABL 融合蛋白が作られ、細胞増殖のシグナル伝達に異常が起こり、過剰な細胞増殖が引き起こされた結果、CML やPh+ALL 病態が形成されます。GIST ではc-kit 遺伝子が機能獲得性突然変異を起こし、KIT チロシンキナーゼ活性の異常亢進が原因のひとつと考えられています。HES/CEL では染色体の欠失でFIP1L1-PDGFR α融合遺伝子が生じ、受容体型チロシンキナーゼ活性により好酸球増多異常を呈すると考えられています。イマチニブは、これら感受性を示すチロシンキナーゼを選択的に阻害して抗腫瘍効果を発揮します。イマチニブの血中濃度測定は、服薬コンプライアンスや併用薬による薬物相互作用の評価、高度な副作用発現及び治療効果が不十分なときの解釈に有用です。       


採取容器:紫(EDTA入り)

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