微生物検査室

 
微生物検査は感染症が疑われる時行われます。検査室には、感染の種類によって血液、尿、便、喀痰、咽頭などさまざまな検査材料が届きます。まず、その日のうちに検査できるものとして、検査材料を顕微鏡で調べる塗抹検査と検査材料から直接原因菌を決定できる抗原検出法があります。


 
次に、検査材料を培地へ接種して培養し感染の原因菌を決めます。(同定検査)同定検査は菌が発育しなければならないので2日〜6日を要します。また、菌が発育してきたら原因菌に対してどの薬剤が効果があるかを調べます。

(薬剤感受性試験)
 このような流れで検査していますが、いくら分離、同定をきちんと行なっていても、提出された検体が感染部位を反映していなかったり、無菌的に採取されたはずのものが汚染されていた場合には、たとえ菌が分離されそれが正しく同定されたとしても意味がありません。血液、穿刺液以外は常在菌といわれる通常無害菌が多数いますので、材料を採取する時はうがいをする、消毒する等常在菌が混入しないよう注意してください。さらに、微生物検査室の役割として院内感染に関する情報をいち早く提供しなければなりません。MRSA、緑膿菌、セラチア菌などの院内感染に備えて、検査室側としては特定の病棟や診療科における耐性菌の出現や特定の菌種の分離率の増加などを常に監視しておく必要があり、何等かの変化が認められた場合にはその情報を即座に病棟に提供していくことが大切です。