Demo program of A Fast Algorithm for Tracking Floor Images
「移動面視覚追跡の高速計算」 デモプログラム(Ver.4) for Windows
  2016.8.26 / 2015.2.12 / 2014.5.23 / 2011.5.6 by I.N.

概要
  参照点群を用いる移動面視覚追跡のデモプログラムです.
 ウェブカメラさえあれば,お手持ちのパソコンでアルゴリズムの動作が確認できます.
 移動面の自然な模様だけを用いる手法であり,特徴点を使用しません.
 対象面の模様にほとんど依存しないことを特徴とするアルゴリズムです.
 また,参照点毎に独立して座標や輝度が更新されるため,長距離移動での累積誤差が少ない特長もあります.
 しきい値等のパラメータ調整も必要としません.

 移動ロボットの自己位置推定のために開発されたアルゴリズムです.
 凹凸の少ない平面上での並進移動および回転を想定しており,この条件下で精度が出るように
 なっています.高さ変化や照明変化は考慮していません.

 アルゴリズムが改良され,パソコンでもビデオレートで高速に処理できるようになりました.


動作確認した環境
  OS:Windows 7/10
  CPU:Pentium 4以降
  推奨ウェブカメラ:640x480,30FPSに対応するもの

  上記以外の環境では未確認.
  (動作しない場合のお問い合わせはご遠慮下さい)


実行プログラム(Download)
  iDVOdemo4.zip

実行方法
 上記ファイルを展開(解凍)すると,iDVOdemo4.exeが出てくるので,クリックして実行します.

 パソコンに接続(あるいは内蔵)されているウェブカメラ(USBカメラ)が使用されますので,あらかじめご準備ください.(カメラの接続が確認できない場合,その旨のメッセージが出ます.)
 複数カメラが接続されている環境では,最初に認識されたカメラが使用されます.内蔵カメラを飛ばして外部接続されたカメラを使用したい場合などはドライバの無効化などの設定変更をあらかじめ行っておいてください.

 カメラ初期化完了のメッセージが出たら,Startをクリックしてください.
 カメラまたは移動面を動かす(並進・回転させる)と,並進量および回転量の表示が変化します.
 プログラムを終了するには,ESCキー,XキーまたはExitをクリックします.


画面の説明



水色の点群が第1の参照点群,桃色の点群が第2の参照点群です.
各色の枠は参照点の存在が許されている追跡領域です.
各枠内に1つずつある○印は追跡点であり,ここを中心に並進移動探索および回転探索が行われます.
画面上部にある緑色の棒グラフは各軸の速度[pixel/frame]を示しています.
上から順に,第1群(水色)のX軸,Y軸,第2群(桃色)のX軸,Y軸に対応しています.

テキストウィンドウには処理時間[ms],フレーム周期[ms],現在位置(X座標[pixel],Y座標[pixel],角度[度])が表示されます.

「参照点群1,2の初期化」ボタンは,参照点群の配置と出力値を初期化します.
「カメラのプロパティ」ボタンは,カメラのドライバが用意する設定ダイアログを表示させます.

Stopをクリックすると,処理時間の最小,最大,平均を表示します.(30フレーム以上実行させておく必要あり)
Startで再開できます.
Exitで終了です.

<更新 2016.8.26>
速度適応型の追跡領域へ改良しました.現在速度に応じて追跡領域の寸法が変化します.
これによって計測できる移動速度の(理論上の)限界がX軸で±460pixel/frame,
Y軸で±265pixel/frameへ大きく引き上げられました.
なお,高速に移動する移動面の追跡を成功させるには,カメラの露光時間を小さく設定し,
また,影が視野内に入らないようにするといった点も重要です.

<更新 2015.2.12>
参照点座標の決定アルゴリズムの改良,すわなち,追跡領域内で垂直ラインを選択し,
そのライン中で輝度が最大/最小となる点を選択する方法へ変更しました.
この方法でも模様に依存せずに一定数の参照点数が確保されます.

<追加 2014.5.23>
「プロパティ保存」ボタンは,現在のカメラプロパティ(設定値)を
テキストファイル(ファイル名は[デバイス名].txt)に保存します.
保存された設定値は,次回プログラム起動時には自動的に読み込まれます.

仕様
 画像サイズ:512x480 pixels
 ピクセル構造:モノクロ8ビット
 フレームレート:30 fps(使用環境によっては低くなることもある)
 参照点数:768点×2グループ
 探索範囲: 並進 第1段階(面積1/4縮小画像) -4〜4 pixel/frame (実質-8〜8 pixel/frame)
             第2段階 -3〜3 pixel/frame
             動き予測あり(最大速度 X: ±460 pixel/frame, Y: 265 pixel/frame)
         回転 第1段階 -2.2〜2.2度/frame(0.448度刻み)
             第2段階 -0.9〜0.9度/frame(0.448度刻み)
 (このデモプログラムでは絶対位置探索は省略されています)