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片野坂グループ

 臨床で見られる心不全の原因や過程は、心負荷の機械的・時間的特性に依存した多様な応答であり一元的な現象ではありませんが、唯一、高血圧などの血行動態負荷は共通の引き金です。我々は、多様な血行動態負荷がもたらす心肥大・心不全発症時に起こるCa2+濃度調節異常の分子機序に注目して、心臓ポンプ機能を長期にわたって維持する機構を明らかにしようとしています。

図1肥大心筋細胞におけるNCX1発現と活性変化
肥大心筋細胞では、NCX1発現は上昇しますが、活性は下がっています。

図2分子・細胞・生体のマルチスケールでの解析
様々なレベルの階層から、心不全発症と進展の分子機構の解明を通して、
長期にわたって心臓ポンプ機能を維持するメ力ニズムを探ります。

生体の機械受容システムとその生理機能

 生体内では至るところで、伸展や剪断応力といった物理的な機械刺激が生じています。細胞の機械受容システムを介して伝達されるこのような刺激は、単に生体にとって不利益なストレスではなく、発生過程や臓器機能発現に不可欠な情報です。しかし、生体の機械受容システムは未だに明らかになっておらず、その生理機能や病態発症における役割についても断片的な情報しか得られていません。我々は、この問題を解決するために、生体内環境を再現・評価する医工学的方法論の開発と、機械受容チャネルを標的とした分子細胞生物学的解析、遺伝子改変動物を用いた生理的解析を通したトランスレーショナルリサーチを展開しています。

図3血管内皮細胞の機械刺激応答
血管内皮細胞では、一定方向の周期的伸展刺激(20%,1Hz)を与えると、
伸展方向に対して90度の方向にストレスファイバーが形成されます。

図4マイクロコンタクトプリント法を用いた細胞形態制御とセンサー部位の局在解析
細胞の形態や、接着斑の数を制御して、力学的場の分子応答を解析します。

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