治療について

がんゲノム情報を基に
患者さんの負担のかからない治療を

がんの持つゲノム情報や患者さんの遺伝子背景に基づき治療の方針や方法を決めていくことにより、その患者さんに最も適した負担のかからない治療法の選択が可能になります。

中性子医療、中でもBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、1950年代から原子炉を使って始められていましたが、用いた中性子線の性質が適切でなく、がん細胞のみに届くホウ素薬剤の開発が進まず、期待された効果を挙げることができませんでした。米国での研究は今でもその影響が残っています。その後、日本の研究者の貢献により、新たなホウ素薬剤(BPA,BSH)の登場と、中性子線の調節技術の発展などにより大きな治療効果が期待できるところまで来ています。
現状では、比較的浅部にある悪性脳腫瘍、頭頸部がん(口腔がん、舌がんなど)、メラノーマなどが治療対象となっています。
がんゲノム医療の進歩により、がんの持つゲノム情報や患者さんの遺伝子背景に基づき、治療方針を決めていくという新しい考え方が打ち出されています。ゲノム情報を基に、BNCT治療が適応されるか、どのホウ素薬剤が適合するか、中性子線をどれくらい照射するか、それぞれを判断することで、患者さんに負担のかからない治療を提案できます。中性子医療研究センターはこうした「がんゲノム情報に基づく治療方法」の実現化に向け、新たな「ホウ素薬剤」の開発を支援します。新たに薬剤の種類が増え、がん治療の選択肢を増えることを期待します。
岡山大学病院内の「がんセンター」、各診療科と連携協力して、BNCTに適応する患者さんの範囲を広げ、より多くの患者さんにBNCT治療が届くように努力して参ります。