[授業科目] 熱力学 Thermodynamics
[授業科目の区分] 専門必修
[講義番号] 096030
[担当教官名] 渡辺 桂吾
[所属] 大学院自然科学研究科・教授 
[対象学生] システム工学科・3年次生
[学期] 前期
[曜日・時限] 木曜・3限
[講義室] 102教室
[選択・必修の別] 必修
[単位数] 2
[概略] 我々の日常生活はエネルギと密接に関係している.食べること,動くことすべてがエネルギを入力し,消費している.このうち,生産,空調と移動に関連する熱機関,仕事,熱と効率についての熱力学をこの科目で修得する.
[一般目標] エネルギについての理解を深め,工学の基幹力学である熱力学の基礎知識を習得する.まず熱力学で扱う物理量と単位について学び,熱力学第一,第二法則を理解する.続いてエンタルピ,エントロピ,内部エネルギの学習を経て理想気体,内燃機関のサイクル,蒸気によるエネルギ交換等について学習する.
[科目の達成目標]

[評価方法と基準]
科目の達成目標 評価方法と基準
単位の違いについてよく理解する. 演習課題,中間試験にて評価する.成績に対する評価の重みは,10%. 
熱力学の第一法則について理解する. 演習課題,中間試験にて評価する.成績に対する評価の重みは,10%. 
熱力学の第二法則について理解する. 演習課題,中間試験にて評価する.成績に対する評価の重みは,10%.
理想気体について理解する. 演習課題,中間試験にて評価する.成績に対する評価の重みは,20%.
ガスによるエネルギ変換について理解する. 演習課題,期末試験にて評価する.成績に対する評価の重みは,25%.
流路をとおる気体の流れについて理解する. 演習課題,期末試験にて評価する.成績に対する評価の重みは,25%.
備考:
[受講要件] 高等学校で学んだ物理学と化学,微分・積分の知識を基礎とする.
[履修上の注意] 数回の講義ごとに演習問題を出題する.数日後に回収するので必ず提出すること.
[授業内容]
 1回目 熱力学で扱う物理量
 (温度の種類と換算,圧力の種々の単位,熱量の基準)
 2回目 熱力学第1法則
 (熱と機械的仕事は同一でありともにエネルギの一種であること,エネルギの保存に関する第一法則を理解する)
 3回目 エンタルピ,内部エネルギ
 (エンタルピ,内部エネルギの概念の理解と状態量の関係) 
 4回目 熱力学第2法則
 (熱力学の第二法則について理解する)
 5回目 可逆変化と不可逆変化
 (可逆サイクルおよび不可逆サイクルとは何か,サイクルの熱効率,動作係数ついて理解する)
 6回目 エントロピ
 (エントロピという新しい状態量とクロジウス積分について理解する)
 7回目  エントロピまでの演習
 8回目 理想気体の状態式
 (理想気体とは何か,気体の状態式,ガス定数について理解する)
 9回目 比熱
 (気体の比熱には定圧比熱と定容比熱があること,比熱とエンタルビ,内部エネルギ,ガス定数の関係を理解する)
10回目 気体の混合
 (理想気体の混合,理想気体の状態変化と熱量,エントロピの関係を理解する)
11回目 中間試験
12回目 内燃機関の基本サイクル (カルノー,オットー,ディーゼル,サバテサイクルと熱効率の関係を理解する)
13回目 内燃機関の実際サイクル
 (インジケータ線図について理解し,ガスタービン,ジェットエンジンのサイクルについて理解する)
14回目 蒸気によるエネルギ交換
 (蒸気の基本的性質,蒸気のもつ熱量,湿り蒸気の状態変化,蒸気表と蒸気線図を理解する)
15回目  蒸気によるエネルギ変換
 (蒸気タービンのサイクル,冷凍機と冷凍サイクル,熱ポンプを理解する)
16回目 期末試験
[関連科目] 流体力学
[JABEE 基準] システム工学科の学習・教育目標のうちの,D:システム工学の基礎として数学,力学,物理学,および,機械工学の基礎を理解し応用する能力に対応する.
[アンケート] 全学共通フォーマットの授業評価アンケートを15回目の講義の終わりに行う.
[教材] 教科書:「図解熱力学の学び方」 谷下市松 監修 北山直方 著 オーム社
       ¥2,900
参考書1)JSMEテキストシリーズ 熱力学 日本機械学会
参考書2)例題で学ぶ工業熱力学 牧野州秀・芹澤昭示 森北出版           
[相談時間] 5時以降,随時受付ける(ただし,会議,出張時等を除く)     
[連絡先] 自室番号:総合研究棟5階502号室
電話番号:251-8064
電子メール宛先:watanabe◎sys.okayama-u.ac.jp        
[研究活動との関連] 担当教員は,空海中の移動体の研究をしており,その駆動源の選定では当該授業とは関連がある.
[備考]  

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