軌道整列とは?
     
           
   
  軌道整列を端的に言い表せば、磁性体のスピン秩序と独立に現れる軌道状態の秩序を指したもので、全結晶にわたって出現する電子の電荷分布における偏りのことです。
1990年代半ばに入り、ペロブスカイト型酸化物などの遷移金属酸化物の物性を代表とする強相関電子系の研究を通して、電荷とスピンの自由度に軌道の自由度を加えた電子の3つの自由度の秩序状態が、系の物性に決定的な影響を与えるという考え方が受け入れられるようになってきました。現在も理論・実験の両方で精力的な研究が行われています。