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岡山大学大学院環境生命自然科学研究科

動物栄養学研究室


研究紹介

 

 研究のコンセプト

栄養と健康に関する情報は溢れるほどありますが、結論はいつも「バランスのとれた食事と適度な運動が大切」です。 であれば、どのような時(食行動、生活習慣、遺伝子型、加齢等)にバランスが崩れるのか、バランスが崩れた時にどのように対処するか、遺伝子科学、分子生物学の手法も 駆使して、それらを明らかにしなければいけません。
人と動物ではライフサイクルが違うので、目的、目標、取組み方も異なります。人および伴侶動物では、健康寿命の延伸が大きな課題です。産業動物(家畜)は畜産食品 (乳、肉、卵)を産みだすことが使命であり、バランスのもつ意味が人とは違います。産業動物と野生動物は、気候を含む環境条件の影響を強く受けることも特徴です。 飼育環境の衛生管理が難しい産業動物では、感染症の予防が非常に重要です。
私たちは、食と栄養、免疫、衛生、環境等に関する様々な課題に取組んでいます。人と動物の健康保持、疾病予防への応用を本気で考え、世界に発信することを目指すのであれば、 新しい課題へのチャレンジも大歓迎です。
 

 研究内容

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豊かな食を世界の誰もが安心して手に入れられる。農学研究のミッションは数多くありますが、安全、安心な食を人々に供給することは今も変わらず最重要のミッションでしょう。 工学技術で生産性を高めつつ、食を支える環境、動物たちの健康を守るのは容易ではありません。人と動物の健康、食品衛生と環境衛生における不調、変調には、 多くの場合微生物叢の構成および機能変化が関わっています。微生物学、分子生物学、バイオインフォマティクスなどを駆使してそれらを理解し、 問題解決につながる新しい技術を世界に示したいと考えています。温暖化対策を考える実践研究の場として、熱帯アジアの国々と共同研究も進めます。

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1. 油脂の摂取が腸管免疫および腸内細菌の関係性に及ぼす影響
食習慣の乱れや運動不足は肥満の原因となるだけでなく、肥満に起因する様々な疾病を引き起こします。我々は動物性油脂の過剰摂取によって引き起こされる腸内環境の変化について、 特に腸内細菌と腸管IgAの関係性の変化に着目し、研究を進めています。腸管IgAは腸管内に分泌される主要な抗体であり、腸内細菌に結合することで細菌の増殖活性や代謝に影響を 及ぼすだけでなく、炎症誘導性の細菌と宿主の共生にも関係しています。
おもな研究トピックは以下の2つです。
@ 動物性油脂の過剰摂取による腸内細菌と腸管IgAの関係性の変化が引き起こされるメカニズムおよび肥満関連病態(2型糖尿病)との関係性の解明
A 腸内細菌と腸管IgAの関係性の変化を改善するための食品素材の探索(肥満関連病態予防の有効性も検証)

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2. 加齢にともなう消化機能低下、骨格筋量・骨密度の減少を緩和する食品素材の探索
平均寿命の延伸によって日本は高齢化社会を迎えており、平均寿命と健康寿命の差を縮小することが喫緊の課題となっています。低栄養、骨格筋量・骨密度の減少は 健康寿命に影響をおよぼす因子のひとつです。加齢にともなって摂食量、咀嚼・嚥下機能、消化酵素活性が低下すると、低栄養状態が起こりやすくなります。低栄養は 骨格筋量の減少や骨粗しょう症の一因とされています。また、加齢にともなう腸内細菌叢の変化は骨粗しょう症との関連が示唆されています。当研究室では、乳酸菌や 植物由来の食品素材が高齢期の消化機能低下、腸内細菌叢の変化、骨格筋・骨密度の減少に及ぼす影響を評価するとともにその作用機序を明らかにしようとしています。











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