第1回 2月27〜3月4日までの調査概要

ここでは調査開始から今までの発掘概要をお伝えします。


<後円部石室>

後円部石室は石室の作り方と内部の埋葬状態を明らかにすることを目的として調査しています。現在までに石室の入口が南と判明し、羨道側(石室に通じる通路)からみて右側に袖石があることを確認しました。内部についてはまだ副葬品と思われる遺物が出土しておりませんので、今後明らかになると思います。

(左)奥壁側から羨道側:石室内の発掘状況

(右)後円部墳頂、石室開口部:天井石の持ち上げ作業







<くびれ西トレンチ>

古墳にはしばしば「造り出し」という檀状の場が設けられ、葬送についてのお祭りの場と考えられています。この調査区は、二万大塚古墳における「造り出し」の有無を確認し、(存在する場合)その形態と向きをを明らかにすることを目的としたものです。現在、調査開始当初より「造り出し」と考えられた位置に須恵器(古墳時代の代表的な土器)が多数出土しています。また一部には礫が密に分布し、葺石の可能性が考えられる状態です。

(左)くびれ墳頂部から:くびれ西トレンチ全景

(右)須恵器出土状況:竹串の指している地点に散らばった破片が須恵器




<前方部西トレンチ

この調査区では前方部墳丘端の確認と前方部前端の様子を明らかにすることを主な目的とし、南北2m、東西13mの試掘溝を設定して調査を行っています。

(左)前方部頂から:発掘風景

(右)前方部墳丘端裾から:前方部西トレンチ全景












<前方部頂トレンチ>

前方部頂トレンチでは、前方部における埋葬主体の有無の確認を目的としています。前方部の一番高いところを通す形で東西9m、南北2mのトレンチを設定しています。現在の所、表土直下にて礫の集中する箇所が見られています。その礫の性格は検討中です。

(左)前方部墳頂端から後円部:発掘風景

(右)同上:トレンチ全景、礫集中部





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