3月16日【日】


 現地説明会は天候にも恵まれ、盛況のうちに幕を引きました。ご来場いただいた皆さんに、厚くお礼申し上げます。現場でのご案内は発掘期間中随時行っておりますので、ぜひ今後も足をお運びください。

 墳頂部トレンチでは、昨日の現地説明会のために取り外していた石室内の足場を再設置しました。その後、石室南壁際タチワリでは鉄器を2点取り上げ、再び掘り下げ、清掃を行っています。遺物が重なって出土している状況は複雑なので、しっかりと観察しながらの作業です。石室内西小口では清掃を行い、写真を撮影しています。こちらでも遺物が検出されていますので、これから図面・取り上げを行っていきます。
 SE区内タチワリでは土層の検討を行い、トレンチの共通見解がとれたところで図面作業のための割付けに入りました。今のところ黄灰色がかった土層を基盤層と見ていますが、SE区内タチワリは非常に狭い上に拡張も困難であり、よりはっきりとした見解は西小口外側タチワリの掘り下げにゆだねることとなりました。西小口外側タチワリでは、石室を支える控え積みの石の実測を行っています。

 後円部東第2、3トレンチでは、古墳築造当時の面を確定するために、タチワリを更に深く掘り下げています。第2トレンチの方では、古墳築造以前の地表面だったと思われる黒い帯状の地層(ブラックバンドと呼ばれるもの)が検出され、その下からは赤色の地層が検出されています。また、このブラックバンドの上から大小の石が並んだ状態で検出されました。これが何らかの人の営みの痕跡なのか、それとも古墳築造以前の地形に沿って転がり込んだものなのかの検討にはまだ至っていません。明日は引き続き掘り下げを行い、土層の検討に入りたいと思います。

石室南際タチワリでの清掃の様子
後円部東第2トレンチでの石の列

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