今回の調査の目的

 昨年の第7次調査では、未盗掘の竪穴式石室が発見され、石室内から鏡や馬具などの多数の副葬品が見つかりました。第8次調査では、石室の構造を検討して構築方法を明らかにするとともに、墳丘上にも調査区を設け、段築などを確認する事を目的として調査を行います。勝負砂古墳の調査は今回が最後となります。これまでの発掘調査の成果と、近在の天狗山古墳二万大塚古墳の発掘調査の成果とをあわせて、この地域の古墳時代の実態や、吉備勢力の歴史的動向について解明していきたいと思います。

南側壁(表面に朱がついています。石の間に粘土が充填されています。)

・今回はこのあたりの外側と床に調査区を設けて石室の構造を解明したいと思います。

被葬者頭側の礫敷き(円礫の一部に朱がついています。黒色部分は有機質が残っていた跡です。)

・礫敷きの上に粘土があることがわかります。今回の調査では、石室内に調査区を設け、この礫敷き上粘土や石室の下部構造を解明したいと思います。

粘土下からの遺物の出土(写真は鉄鏃)

・この粘土の下からは遺物が出土しました。今回の調査では、この遺物が粘土で故意に覆われたのか、遺物の上に粘土が落ちてきたのかを解明したいと思います。

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