97年3月23日(日曜日・発掘21日目)
現地説明会当日
3月19日は休養のため、現場作業はお休みでした。
 調査のヤマ場は越しました。これからは図面作成が、作業の中心になります。
 

東塚の調査

 前庭部では、掘り上げていた発掘区域全体の埋め戻しをまもなくはじめます。 東塚前庭部の列石の風景も、もう見納めです。
 西トレンチでは今日までに列石4列とそれにかかわる墳丘の上面について確認しながら 掘り下げを進めてきましたが、現状ではこれらはすべて修築(改修)時のものと考えられます。 現在東塚築造時の初期の墳丘と列石を検出しているところです。

西塚の調査

 石室では、陶棺をすべて搬出し、一部のたち割りを除き、完掘しました。現在 、奥壁と玄室の奥壁に近い側壁の部分から、実測図の作成をはじめているところです。
 前庭部では、これまでに、東塚に関係する可能性がある列石と、 追葬時に設置されたと考えられる列石が現れました。現在たち割りを行い、これらの列石と、 既に昨年までに把握していた列石および初葬、追葬時のものと考えられる遺構面などの 相互関係を、調べているところです。
 北トレンチでは、ほぼ全体にわたって深掘りをかけ、 地山層および岩盤を検出しました。現在墳端を調べています。  

分布調査

 中津井地域の分布調査を今年もはじめました。現在土井地区で古墳・横穴を踏査し、 順調な成果を上げています。

おまけ

学生隊長って?  定古墳の調査では、主催者の研究室教官(新納【にいろ】先生)が全体の方針を決めるのは もちろんのことなのですが、学生に対する指揮は、学生隊長が行います。学生隊長は 学生の中から1人が選ばれることになりますが、今年は学部3年の光本 順さんが役についています。 発掘中毎日おこなわれるミーティングで、教官の助言、各学生の意見をとりまとめた上、 彼の決めることには、上級生であれ、従わなくてはなりません。そして、隊長の仕事は、発掘期間中だけではなく、 第4次段階の整理が一段落する今年の秋まで続くのです。
 発掘もいよいよ終盤。肉体疲労のみならず、 合宿生活の精神疲労も大きい中、学生全体の舵取りと調整にまわる 隊長の任務はいよいよ重大。がんばれ、光本君!
 ちなみに、きょうの現地説明会では、新納先生はひたすらカメラマン役で、 表には出ませんでしたね(緑のハットと紫のコートを身にまとい、カメラを ぶら下げて頻繁に動き回っていた細めのおじさんです)。
 そう、最初の全体説明をやったのも、光本隊長なのです。

ベタベタなおまけ

 これまたちなみに、墳丘への上がり口で、定北古墳の見学を勧誘していた怪しげなサンドイッチマン がいたと思いますが、この人は、何を隠そう、定4次のページを作っているわたくし藤井でありました。 31日まで4回生です。去年の隊長でした。一年経つとこうなるのだ、ワッハッハ・・・。
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