周辺の古墳
 
造山古墳群
大型の古墳の周囲には陪塚(冢) という小規模の古墳がつくられることがあります。
陪塚 とは、中心となる大型墳(主墳)との間に時間的・内容的(主墳の被葬者との主従・近親関係など)繋がりを前提に定義されるもので、造山古墳の周辺にも陪塚と見られる古墳が6基存在し、造山古墳とまとめて「造山古墳群」と呼ばれています。

榊山古墳(第1号墳)
造山古墳前方部前端の堀切を挟んだ正面に位置している、径約35m、高さ約6.6m、2段築成の円墳です。
粘土で覆われた長大な木棺が置かれていました。馬形帯鉤(ベルトのバックルにあたるもの)、鏡、刀剣、斧などの遺物が出土しています。

第2号墳
榊山古墳の北西約100mに位置する、一辺約21m、高さ約4mの方墳です。
2008年9月に当研究室によるデジタル測量 が行われました。

第3号墳
榊山古墳の西約100mに位置しています。改変が著しく、墳形、規模の復元は困難な状態ですが、径30mの円墳ではないかと考えられています。

第4号墳
榊山古墳の南西約120mに位置している、径約35m、高さ約5.5m程度の円墳です。

千足古墳(第5号墳)
造山古墳の南西約200mに位置している、全長約74m、後円部径約54m、高さ約6.8mの帆立貝形古墳 です。
現在は後円部中央に朱の塗られた横穴式石室の玄室(被葬者が納められる部屋)が開口しています。鏡、勾玉、刀剣、甲冑、巴形銅器が出土しています。
2008年9月に当研究室によるデジタル測量が行われました。

第6号墳
千足古墳の南約100mに位置している、径約30m、高さ約5mの円墳です。
2008年9月に当研究室によるデジタル測量が行われました。

これらを陪塚とする意見は多くありますが、配置の計画性の問題から一般の主墳と陪塚の関係より従属の度合いは低い、あるいは単なる主従関係ではないのではないかと考えられています。


                 第2号墳




作山古墳
 造山古墳の3km西に位置する3段築成の前方後円墳です。全長は286mと造山古墳には劣るものの、それでも吉備で第2位、全国で第9位の規模を誇る大型古墳です。
 築造時期は5世紀前半〜半ばごろとされ、造山古墳よりやや後の時代のものになります。
 造山古墳と共に当時の強い権力を持った首長の存在を物語っており、両者の関係性も指摘されていますが、詳細はわかっていません。
 各段には密接して円筒埴輪が立ち並び、斜面は葺石により覆われていました。周濠 は存在しません。







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