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第9回ジュニア・ロースクール岡山の報告

【概要】


 2013年11月9日(土)に、岡山弁護士会と岡山大学法学部の共催で、第9回ジュニア・ロースクール岡山を開催しました。これは、中学生・高校生を対象に、法的なものの考え方を学んでもらう目的で毎年開催しているものです。当日は、中学生5人、高校生25人、計30人の生徒に参加していただき、第1限「著作権について考える」及び第2限「これって「強盗」!? ~ 刑事裁判に触れてみよう ~」について、岡山弁護士会所属の弁護士の指導の下で、5人程度のグループで話し合い、考えてもらいました。各グループには、法学部学生が参加し、グループ討議の助言をしました。

一 内 容


 第1限及び第2限の教材は、岡山弁護士会所属の弁護士が中心になって原案を作り、岡山大学法学部並びに法務研究科の教員及び法学部学生、そして法教育の専門家が参加した検討会で検討して作成したものです。

第1限 「著作権」について考える(13:05~14:50)

 最初に、「ある高校生が学校の短歌コンクールに友達が考えた短歌を自分の作品として投稿した」という例で、著作権法の基本的な仕組みを学びました。
 第二に、「ある高校生がマンガのストーリーを創作したのですが、主人公に「くまモン」の絵を使ってそのマンガを作り、自分のブログに掲載した」という例で、キャラクターの絵の著作権や、インターネットで他人の著作物を送信する場合に「著作権」がどうかかわるかを考えてもらいました。
 第三に、書籍の電子データ化(いわゆる「自炊」)に関して、次の場合について、著作権との関係で問題があるかどうかを考えてもらいました。
 ①個人が、古いマンガ雑誌を自分で電子データ化し、自分のパソコン等で見られるようにした場合
 ②他人の書籍の電子データ化を、業として代行する場合

第2限 これって「強盗」!? ~刑事裁判に触れてみよう~(15:00~16:45)

次のような事例を元にして、刑事裁判の基本的事項及び窃盗罪と強盗罪の違いを学びながら、どちらの罪に当たるかを考えてもらいました。
加害者(Fさん)は、被害者(Aさん)の家に忍び込んで財布を盗み家の外に出ました。しかし、Fは自分の運転免許証などが入った袋をAの家に落としたらしいと気付き、Aの家に戻りました。そのときAが帰ってきたので、包丁でAを脅して逃走しました。

 強盗罪の類型の一つとして「事後強盗罪」があります。この事例では「事後強盗罪」に当たるのかどうか、「事後強盗罪」の規定から、これに該当するための要件を整理し、その要件に該当するかどうかを考えました。

二 参加した中学生・高校生の感想


 参加者にはアンケートに回答してもらいましたが、全体的に、「わかりやすかった」、「グループで話し合うことが楽しかった。」という回答が多くありました。
 第1限では、次のような感想がありました。
 「著作権法は、基本的には私的利用の範囲では、違反にならないのだとわかった。
スキャン代行は、とても難しかったけど、最終的には文化の発展が妨げられるかどうかが大事なのだとチューターの方が言ってくださって、なるほどと思った。」

 また、第2限では、次のような感想がありました。
 「実際の刑事裁判のように、検察側として事例から様々な点を指摘したりしてとても興味深い物だった。しかし、裁判官の立場として考えると、弁護側の意見も一理あり判断が難しかった。」

三 法学部学生がチューターとして助言


 今回のジュニア・ロースクールでは、第1限については法学部のゼミで法教育を学んでいる学生、第2限については学生サークル「法友会」に参加している学生、合わせて 21名に教材づくりの検討に参加してもらい、当日はチューターとしてグループで助言してもらいました。このような法教育の活動に法学部学生が参加しているのは、法学部において、学生の学習や成長にとって大きい意義があると考えているからです。すなわち、学生が大学で学んだ法的知識を応用・活用する能力の向上を目指すとともに,コミュニケーション能力と問題解決能力を高める上でも大きい効果があります。
 参加した生徒の感想にも、次のようなものがありました。「グループ内で話し合ったり、チューターの方から説明、解説を聞けるのがよかったです。」
 また、チューターをした学生から、次のような感想があったように、参加生徒が理解し問題を考えることができるように配慮して助言してもらいました。
 「自炊代行問題に関しては、ネットやパソコンにあまり触れたことがなく、「スキャン」などの用語が分からない生徒が何人かいました。そういった生徒はスキャンした画像データが「無限にコピーができる」ということにピンとこないようでした。スキャンやコピーに関して説明した後は、代行会社やそれを利用する人の立場に立って一生懸命考えてくれていました。」