中学生・高校生の不定愁訴 抄録 ![]() |
月経周期と不定愁訴の項目数との関連を見ると,月経が順調に来ていると考えられる半年間に月経が6回あった群では,訴えのある項目が少なく,これに比較して,半年間に4-5回の群,半年間に7回以上の群では有意に多い項目に訴えが見られた。 月経持続日数と不定愁訴の項目数,不定愁訴のある身体領域の数との関連では,月経が8日以上持続する群では,5-7日持続と正常な群に比較して有意に高値であった。 月経困難症との関連では,何らかの不定愁訴のある率,不定愁訴の項目数,不定愁訴のある身体領域の数ともに,月経困難症あり群は月経困難症なし群に比較して有意に高値であった。 月経前の体調不良との関連では,何らかの不定愁訴のある率は有意差が見られなかったが,不定愁訴の項目数,不定愁訴のある身体領域の数ともに,月経前に体調不良あり群は月経前に体調不良なし群に比較して有意に高値であった。 身長の伸びや二次性徴発現の有無から見ると,男子学生では,女子学生に比較して,その過渡期にあると考えられたが,変声やひげの有無で2群に分類して比較しても,不定愁訴・身体症状の有訴率に有意差は見られなかった。これに対して,女子学生では月経の影響は大きく,しかも,月経の詳細な状態を考慮しなければならないことが明らかになった。 |
性別と不定愁訴・身体症状
n. a.: データなし.; n. s.: 有意差なし. |