○国立大学法人岡山大学における性暴力等の防止及び対応に関する規程
令和6年3月27日
岡大規程第12号
(目的)
第1条 この規程は、国立大学法人岡山大学(以下「法人」という。)における性暴力等の防止及び性暴力等に起因する問題が生じた場合の適切な対応(以下「性暴力等の防止等」という。)について、必要な事項を定めることにより、職員等の職務能率の発揮及び人権の尊重並びに学生等の良好な修学上の環境の保持及び人権の尊重を図ることを目的とする。
2 本学は、性暴力等の対応に当たっては、事案の内容及び相談者の要望等に応じて、警察、医療機関、性犯罪・性暴力に係る支援センター等の学外機関と連携を図るものとする。
(定義)
第2条 この規程において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 性暴力等 以下に掲げる行為をいう。
イ 刑法(明治40年法律第45号)第174条(公然わいせつ)又は第175条(わいせつ物頒布等)の罪に該当する行為
ロ 刑法第176条(不同意わいせつ)、第177条(不同意性交等)又は第179条(監護者わいせつ及び監護者性交等)の罪に該当する行為
ハ 刑法第183条(淫行勧誘)の罪に該当する行為
二 刑法第182条(16歳未満の者に対する面会要求等)の罪に該当する行為、又は性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和5年法律第67号)第2条から第6条までの罪に該当する行為
ホ 他人に対する次に掲げる行為であって、他人を著しく羞恥させ、又は不快・不安を覚えさせるようなもの
(1) 衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の性的な部位その他身体の一部に触れること又は触れさせること(不同意わいせつに該当するもの(教育上、研究上若しくは職務上の地位又は人間関係などの優位性を背景にして行われる上記の行為等)を除く。)
(2) 通常衣服で隠されている他人の下着又は身体を撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること
(3) 上記の他、岡山県迷惑行為防止条例(昭和38年条例第40号)第3条(卑わいな行為)に該当する行為
二 性暴力等に起因する問題 性暴力等により、構成員の就業上、修学上又は研究上の環境が害されること及び性暴力等への対応に起因して構成員等が就業上、修学上又は研究上の不利益を受けることをいう。
三 職員等 本学の職員及び役員をいう。
四 学生等 本学の学部学生、大学院生、研究生、聴講生、科目等履修生、研究員及び教育学部附属学校園の幼児、児童、生徒等、本学において修学又は研究に従事する者をいう。
五 構成員 職員等及び学生等をいう。
六 部局 学術研究院各学域、各学部、大学院各研究科、特別支援教育特別専攻科、養護教諭特別別科、各研究所、岡山大学病院、各全学センター、附属図書館、各機構、法人監査室及び各事務部(国立大学法人岡山大学事務組織規程(平成16年岡大規程第1号)第4条各号に定める各部及び第13条に定める事務部)をいう。
(構成員の責務)
第3条 構成員は、性暴力等及びその被害者に関する理解を深めることにより、性被害及び二次的被害を発生させないよう配慮するとともに、いかなる性暴力等及び性暴力等に起因する問題をも生じさせてはならない。
(監督者及び指導教員の責務)
第4条 職員を監督する地位にある者(以下「監督者」という。)及び学生等を指導する立場にある職員等(以下「指導教員」という。)は、職員及び学生等の注意を喚起し、更にはその認識を深めさせ、性暴力等の防止等を図るとともに、性暴力等への対応を迅速かつ適切に行わなければならない。
(部局長の責務)
第5条 各部局の長(以下「部局長」という。)は、当該部局における性暴力等の防止等のための措置を統括し、性暴力等及び性暴力等に起因する問題が生じた場合は迅速かつ適切に対処しなければならない。
(学長の責務)
第6条 学長は、構成員に対し、この規程の周知徹底を図らなければならない。
2 学長は、性暴力等の防止等のため、構成員に対し、啓発活動及び必要な研修等を実施するものとする。
3 学長は、構成員が性暴力等を行ったときは、厳正に対処しなければならない。
(通報窓口の設置)
第7条 本学に、構成員等が性暴力等を受けたと思われる事案に関する通報窓口を置くこととし、総務企画部法務・コンプライアンス対策室にて対応するものとする。
(相談窓口の設置)
第8条 性暴力等及び性暴力等に起因する問題に関する相談、研修及び啓発活動等に対応するため、本学に相談窓口を置くこととし、国立大学法人岡山大学におけるハラスメント等の防止及び対応に関する規程(平成29年岡大規程第41号。以下「ハラスメント等防止規程」という)第8条に規定するハラスメント等相談室にて対応するものとする。
(通報・相談を受けた対応)
第9条 前2条に規定する通報・相談を受けた場合には、ハラスメント等防止規程第9条に規定するハラスメント等対策会議(以下「対策会議」という。)において、当該事案が犯罪の疑いがあるかどうかを速やかに協議するものとする。
2 前項の協議に基づき、通報・相談を受けた事案が犯罪の疑いがある場合には、対策会議の議長は直ちに学長に報告するとともに、被害者に対して警察への通報を促し、又は被害者の同意を得て自ら所轄警察署へ通報するものとする。なお、被害者が特定できない場合又はいない場合は、自ら通報するものとする。
3 学長は、前項の場合において、被害者の保護、修学・研究・就業環境の改善に係る緊急措置が必要であると認める場合には、これらの措置を部局長に命じるものとする。
4 ハラスメント等防止規程第7条に規定するハラスメント防止委員会は、対策会議において通報・相談に係る事案が犯罪の疑いがあるとの結論が得られなかった場合、及び第2項の通報を行った事案であって起訴に至らなかったもののうち、第2条第1号に定める性暴力等のうち犯罪に当たらない行為若しくはセクシュアル・ハラスメントに該当する行為があったと疑われる場合であって、相手方が構成員である場合、国立大学法人岡山大学ハラスメント防止委員会規程(令和5年岡大規程第48号)に基づいて、当該事案に関して必要な調査を行い、又は必要な措置を検討・実施し、その結果を学長に報告するものとする。
(処分等の措置)
第10条 学長は、前条第2項に該当する事案であって加害者が起訴されたもののうち、加害者が構成員である場合には、刑事手続の進行状況を踏まえつつ、国立大学法人岡山大学職員の懲戒等に関する規程(平成16年岡大規程第20号。以下「懲戒等規程」という。)に基づき、加害者の懲戒等の処分に係る措置を行う。
(人権の尊重及び守秘義務)
第11条 構成員等は相互にプライバシーや名誉その他の人権を尊重し、正当な理由なく相談内容を第三者に伝える等、一方的にそのプライバシーを侵し、名誉を傷つけ、人権を損なうような言動を行ってはならない。
2 性暴力等への対応に関わる者又はこれらの職にあった者は、構成員等のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、正当な理由なく知り得た秘密を他に漏らしてはならない。
(その他)
第12条 この規程に定めるもののほか、性暴力等の防止等及び対応に関し必要な事項は、別に定める。
附則
この規程は、令和6年3月27日から施行する。